さて、この千歳渡船場を押しつぶしそうにそびえる巨大なコンクリート柱は、建設中の橋脚だ。 この渡船場の風景もまた、大きく変わろうとしている。 けれど大丈夫。この渡船もおそらく消えはしないだろう。 ここに来るまで見てきた渡船場も、一時は橋が計画されて消え行く運命にさらされたものもある。でもそうはならなかった。 自分の仕事をこつこつとこなしてきた渡船─── 自分にしかできない仕事を、真面目に全うするだけの渡船── 地元の人々はそんな渡船を愛し、いくつもの橋が出来た後も愛し続けてきたからだ。