そして、その大きないのちの呼吸が、空気を栄養豊かにし、小さな気流を生んで、世界の果てまで届く「風の芽」をつくっている。
静かに湧き出る泉と、そこから溢れ出す小さな泉のまわりに暮らす、無限の苔や草花や曲がりくねった木々を眺めていると、そんな気がしてくるのだ。
曲がりくねったり、傷ついたりすることを恐れずに、ひたすら生きている、武奈ヶ岳の野生。
彼らのようになりたいと、思う。