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[208] 高知県 四万十川 中村 とんぼ公園 クロメダカ 2003.8.30
とんぽ公園を含めて、四万十川周辺で期待していたものにクロメダカがある。全国を旅していて田んぼの畦の用水路からメダカ達の姿を見なくなって久しい。ひょっとして高知県ならば、まだ農薬を使用しない田んぼがあるかもしれない。そんな淡い期待を抱いて四万十川に向かったのだが、期待は裏切られなかった。大正町の田んぼはメダカの姿はなかったがモロコの稚魚達がたくさんいた。それも幅30cm程度の水路にだ。農家の方も、田んぼに入る僕に「マムシがいるから注意しなさい」と..優しく声をかけてくれた。マムシのいる田んぼは農薬が使われていない、あるいはかなり少ない。理由はそこに沢山の生物が棲んでいる証だからだ

中村のとんぼ公園から四万十川をさらに上流に向かった溜め池で網をすくってみると、そこにはメダカ達がたくさん入っていた。間違いなく中村にはメダカがいる。しかし地元の方達はメダカにはとんと興味がないらしい。メダカならば四万十川に沢山いるよ..というのだ。そんな馬鹿な。僕は彼らがいるという沈下橋の下で小魚を捕まえてみたが、どれもアブラハヤなどの稚魚だった。地元の人には小さな魚は皆メダカに見えるらしい

写真はとんぼ公園のクロメダカだ

中村を去る日に、四万十川河口域の田んぼの畦で稚魚を捕った。その小魚を自宅に持ち帰り、育てたらモロコの仲間だった。稚魚の飼育の楽しみは、一体どんな魚を捕ったのだろうか..と..育つまで思いを馳せることにある
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[209] 高知県 四万十川 中村 とんぼ公園 ホテイアオイ 2003.9.2
真夏のとんぼ公園の池にはハスやホテイアオイなど、花が多く咲いている。そして、その花や葉の上にトンボなどの昆虫やカメがノンビリと日向ぼっこをしている風景を目にする。なんとものどかな光景だ
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[210] 高知県 四万十川 中村 とんぼ公園 里山の風景 2003.9.5
とんぼ公園はもともと休耕田だった場所を中村市が公園として保全したところだ。公園といっても写真の通り、親水公園によくある人工的な造作は一切なく、昔ながらの里山そのものが維持されている。見た目だけが里山というわけではなく、そこにはタニシもメダカも水生昆虫も生息している。だからアオサギやカエルも畦道をのんびりと歩いている

政府の減反政策により休耕田が全国的に広まっているが、休耕田の再活用として上海蟹やドジョウの養殖がおこなわれ始めているようだ。この様子をテレビのニュースで取り上げていたが、どうも何かが違うように感じた。安来節で有名な島根県安来市の農家ではドジョウを地元の特産品にしようと養殖をはじめているのだが、ドジョウが逃げ出さないように田んぼのまわりをビニールシートで覆ってしまっている。確かにドジョウは逃げないかもしれないが、そもそも安来節が生まれたほど多くいたドジョウそのものが何故田んぼからいなくなってしまったのか..その原因を農薬を使ったことにあると彼らは述べていた..しかし、それは少し違うと思う。効率、安易、楽に..という発想に原因があるのではないか。苦労することが良いということを言っているのではない。自然の恵みを得るには、自然と共生する智恵が必要なのだと言いたいのだ。彼らはドジョウだけがたくさん育てばよいと思っているように感じる。それは農薬を撒いて効率的に野菜や米を育ててきたことと何等変わりは無い..ということに全く気づいていない。サントリーは熊本は阿蘇山の湧水の出る里に工場を建設、水の大規模生産を始めている。しかしサントリーは水をはぐくむ山の保全に対しては積極的に関わっていこうという姿勢も見せている。おそらく山梨白州の工場で得た智恵がそうさせているのだろう。人は問題意識が変わらない限り、物を見る視点も、発想も旧態依然としたまま固定されてしまうものだ。そこからはエポックメイクな発明や改善が生まれることはない
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[211] 高知県 四万十川 中村 四ヶ村溝の水車 安並水車の里 2003.9.8
中村市内から後川橋を渡り、四万十川の支流後川沿いに国道439号線を走ると左手に田んぼが現れる。安並地区だ。この田んぼの中に四ヶ村溝の水車がある。四ヶ村とは秋田・安並・佐岡・古津賀の4地区をさし、この地域の灌漑目的のために作られた水車だが、現在は保存と観光目的のために維持されている

しかし水車のある風景は魅力的だ

全国的にも水車は減少してしまっているが、水という自然の力をありがたくいただく智恵は継承していきたい。四ヶ村溝の水車は蒸気機関車を彷彿させる水車の連なりが見事だ。中村を訪れたならば、立ち寄ることをお薦めする
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[212] 高知県 四万十川 中村 佐田沈下橋 投網する青年 2003.9.11
四万十川では、天然ウナギやアユ、テナガエビ、ヌマチチブ(ゴリ)、モクズガニ(ツガニ)などを捕る伝統漁法がいまだに続けられている。四万十川での漁獲量は年々減少しているが、観光遊覧業や四万十川料理の店、旅館と提携することにより存続できている。お薦めは情緒ある屋形船での川下り。佐田沈下橋の上流から河口域近くまで四万十川の豊かな自然を眺めながら、捕れたての新鮮なウナギやアユ、エビ料理を味わえる

写真は佐田の沈下橋のたもとで投網する青年だ。アユを狙っているのだ。ところで佐田の沈下橋は正式名称ではない。今成橋が正式名称。四万十川の沈下橋の中では幅も広く長さもある。天候が荒れていない時であれば、おだやかな四万十の流れを俯瞰できるだろう
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[213] 高知県 四万十川 中村 三里沈下橋 2003.9.15
四万十川の本流には22本の沈下橋がある。支流まで含めると、その数は50を越える。これだけの沈下橋を抱える川は日本の中でも希有である。四万十川はそれだけ氾濫も多い川なのだが、この氾濫を素直に受け入れることで美しい清流と豊かな魚影が恵としてもたらされている

写真は中村市にある三里沈下橋で、通称は深木沈下橋と呼ばれ、四万十川本流最後にあたる沈下橋、佐田沈下橋こと今成橋の1つ上流に架かっている。この三里沈下橋から眺める四万十川は上流、下流とも流れは緩慢で、まるで貯水池を見ているようだ。橋の下の水溜りにはメダカのような稚魚が沢山いる。網ですくってみるとアブラハヤの稚魚のようだった
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[214] 高知県 土佐清水 足摺岬 2003.9.18
太平洋の荒波を実感できるのが高知の海だが、その中でも足摺岬から眺める黒潮は見事だ。地球の丸さを実感できる広い空間と海の力強さのコントラストが素晴らしい。土佐清水の海岸線の岩場まで降りてみると分かるが、磯場は波により削られ、板状になっている。そしてイソギンチャクなど海の生物の姿もあまり見られない。それほどまでに黒潮のパワーは凄まじい

足摺岬灯台から天狗の鼻にかけてはヤブツバキが自生している。このヤブツバキのトンネルをぬけての散策路はロマンス歩道と呼ばれ、2月から3月上旬にかけて美しい椿の花を楽しめる。また灯台から西へ向かえば、花崗岩の洞門では日本一の白山洞門や、ストーンサークルでは世界一の規模を誇る唐人駄場遺跡もある
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[215] 高知県 宿毛 夕暮れの宿毛湾 2003.9.21
この先は愛媛となる高知県の西のはずれが宿毛(すくも)だ。土佐清水から今日のモバキャンの地、宿毛に到着したのは夕暮れ時だった。おだやかな湾に映りこむ夕日が美しく、しばし時間の経つのも忘れ眺め入っていた

宿毛に関する情報はこの時全く持っていなかった

だから「だるま夕日」なるものも知らなかった。「だるま夕日」は11月から2月頃、海上の大気と海水の温度差が大きいと水蒸気が発生、海に太陽が映し出され、あたかも夕日が二つにくっつき、達磨のように数十秒間見える現象を指すらしい。しかも「だるま夕日」が見えるポイントは、丁度この写真を撮影した付近のようだ

夕暮れの宿毛湾も美しかったが、日の出の宿毛湾に流れ込む松田川からの眺めも素晴らしかった。朝焼けの宿毛に見事な雲海がたなびいている。この近辺は霧が多いのだろうか..と..調べてみると「四万十川霧の町写真コンテスト」なるイベントまであることが分かった

カツオの水揚げで高知県のトップを行く宿毛なので寿司を食べてみた。宿毛はハマチや鯛などの養殖も盛んだ。朝の深浦漁港は特に活気付いている。寿司を座敷で食べていると、若くグラマラスな外人女性二人が入ってきてカウンターに座った。観光客には見えない。会話を聞いていると、どうやらロシアの方らしい。待ち合わせをしているようだ。しばらくすると中年のおっちゃん二人が入ってきた。カウンターの二人を見つけると嬉しそうに横に座り、「なんでも好きなものを食べなよ」という。彼女らは「ウニ、イクラ」など、とうてい宿毛で採れそうも無い寿司ネタを連発。しかし、おっちゃんたちはその後の展開を思い浮かべているのか、頬は緩みっぱなしで目の視点も定まっていなかった。きっと日露友好の宴をこの後持つのだろう。宿毛も国際都市だったのか..

翌日は宿毛から愛媛西海町の海岸に向かった。西海町の海はサンゴも美しく、海中公園として名高い。ところで宿毛から峠を越えて愛媛に入った途端、まるで長野から静岡に入ったときのような印象を受けた。道路が整備されていて町が活気付いているのだ。愛媛と高知の経済力の差をまざまざと見せつけられた
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[216] 高知県 窪川 仁井田米の棚田 2003.9.24
中土佐の土佐久札は青柳裕介氏の名作コミック「土佐の一本釣り」の舞台となった町。純平が闊歩していそうな雰囲気がたまらない。この久札から四万十川を目指して国道56号線を走ると七子峠を越えて仁井田川に出る。このあたりは標高270m前後の台地かつ盆地という地形が特長で、夏場は昼夜の温度差も大きく、霧の町としても知られている。この気象条件が旨い米「仁井田米」を育んでいる。ところで仁井田川周辺は畦道の用水路ですら魚影は濃く、田圃は生物が多い。有機無農薬、減農薬を心がけいてる農家が多いからだろう。隣の十和村や大正町では炭による家庭排水の濾過もおこなわれ、四万十川の水質改善を目指している。この地域の人々の環境への気配り度は高い

四万十川周辺の棚田としては檮原町「神在居の千枚田」が有名だが、この窪川町仁井田の棚田も捨てがたい魅力があると思う
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[217] 高知県 東津野 四国カルスト 2003.9.28
四万十川の源流を過ぎ、梼原町の千枚田をさらに北上すると地芳峠に出る。ここからの稜線は高知県と愛媛県の県境でもあり、美しいカルスト地形の高原が続く。四国カルストだ。さすがに日本三大カルストと呼ばれるだけのことはあり、圧倒されるほど見事な風景が展開する。晴れていれば太平洋まで見渡せる展望は素晴らしい。夏のお花畑は美しく、またブナの原生林も見応えがある

秋吉台も素晴らしい景観が展開するが、四国カルストは石鎚山から太平洋までぐるりと見渡せるパノラマが実に魅力的だ。四国の山々を満喫できる。牧場の牛たちは毎日この風景を見て暮らしているのか。うらやましいかぎりだ
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