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[78] 新潟県 妙高高原 池の平の白樺林 2002.5.23
妙高山の麓、池の平はのんびりとした別荘地だ。周辺には白樺林も多く、初夏の頃は緑も柔らかで、散策していても気持ちよい。道沿いに旨い水が湧き出るところもあり、夏場は重宝している

僕は戸隠、黒姫を訪れると、池の平温泉で一日の疲れをとることが多い

赤倉温泉まではちょっと距離もあり、大概、池の平に落ち着く。特にランドマーク妙高高原の露天風呂は深夜まで営業しているので助かる

写真は池の平元気村温泉ハウス周辺の白樺林である

この温泉はペンションの方達が共同で管理されているが、日帰り入浴もできる。入浴料金もランドマーク妙高高原の半値なので、純粋に入浴目的ならばリーズナブルである
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[79] 新潟県 妙高高原 笹ヶ峰 夕暮れの笹ヶ峰牧場と高妻山 2002.5.27
杉野沢を妙高国際スキー場に向かう道に入ると笹ヶ峰に辿り着く

初夏の妙高高原は山菜の季節だ。妙高国際スキー場周辺にも車がたくさん駐車している。それも地元の車が多い。まさに山菜採りに出かける彼等の姿を見ていると、誰もが殺気立った気配を撒き散らしている。趣味にしては少し変だ。この解答は乙見湖食堂のご主人からいただいた。妙高周辺に住む人々にとって、ネマガリタケは彼等の貴重な収入源なのだそうだ。キロあたりの販売価格も聞いたが、確かにボーナス分に十分匹敵する額になる。彼等にとって山菜採りは、れっきとした仕事だったわけだ。しかも周辺は熊も多い。訪れた数日後の新聞に、僕が見かけた、山菜採りの場所で、熊と出会い、大怪我をされた人の記事が掲載されていた。どうりで殺気立つわけである

スキー場を過ぎ、峠道をしばらく走り、仙人池の先で道は右に90度近くカーブする。そして曲がった瞬間、目の前に雪をかぶった美しい山並みと、眩しいほどの新緑の牧場が目に飛び込んできた。ここが笹ヶ峰牧場だ。まさに高原という名がピッタリの風景が広がる。正直なところ、笹ヶ峰がこんなに美しい場所だとは予想していなかった


写真は夕暮れの笹ヶ峰牧場である。地蔵山、神道山の左後ろに高妻山が見えている。ここからは黒姫山も眺められる。ふだん野尻湖側から見ている黒姫とは、随分と雰囲気は違う
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[80] 新潟県 妙高高原 笹ヶ峰 乙見湖から見る焼山 2002.5.27
笹ヶ峰を訪れる一番の動機は、乙見湖からの火打山を見るためだった。乙見湖のダムサイトに立ち、天狗原山、金山、裏金山、富士見峠、焼山と、ここまでは確認できた。しかしその先にあるはずの火打山が見えない。エッ、そんな...。しかし妙高の裾野の影で火打山は見えないのだった。一体どこまで行けば火打山は見えるのだろうか

湖畔近くに乙見湖食堂がある

多くのハイカーは、ここの駐車場に車を停めて散策する。昼食を兼ね、火打山の見える場所を聞きに食堂を訪れた。ここのご主人は、妙高高原の自宅から毎日、車で通勤している。周辺の山々の植物やきのこに関しても精通していて、某所にいけばトガクシショウマがある。マイタケが採れる、などなど、具体的な場所は秘密だが、貴重な話をしてくださる。採取した、きのこやネマガリタケを、煮沸、塩蔵し、販売もされている。そのご主人の説明によると、ダムを渡り、天狗山に登れば火打山は間違いなく見えるのだそうだ

食後、身支度をして、天狗山に向かったのだが、これが予想に反して、辛い山登りになってしまった。そもそも天狗山への登山者など、まずいない。だから登山道も殆ど廃道寸前というか、薮こぎに限りなく近い。天候も一転、雨も降り始め、道はかなり滑りやすく、しかも片側は乙見湖まで一直線の急斜面。木々もあるが途中で引っかかりそうもなく、滑り落ちれば、まずは助からないだろう。やっと目的の火打山が見えたと思ったら、どんどんと雲がかかりはじめている。慌ててビデオカメラと一眼レフをザックから取り出し、雲間に見え隠れする火打山をなんとか収めることができた。実際、記録した程度の出来でしかなかったが、それでも達成感はあった。撮影後、カメラをザックにしまうときに、うっかり、レンズキャップを落としてしまった。急斜面を乙見湖までコロコロと予想通りの結果であったが、これからの下山を思うと、背筋が凍りついた
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[81] 新潟県 妙高高原 笹ヶ峰 幽幽と咲くギンリョウソウ 2002.5.28
乙見湖食堂から坂を下ると、乙見湖に出る。ダムを天狗山の方に渡り、階段を上ると 夢見平に向かう遊歩道が始まる。5月の夢見平はミズバショウの群落が見物だが、この遊歩道沿い、簑の池周辺にもミズバショウは咲いている。6月、遊歩道の周りの薮はネマガリタケを求めて入るプロ達で溢れている。薮の中からガサガサと音がだんだん近づいてくる。体全体が緊張する。目の前に突然、人が出てきてビックリ。その次にホッとする。なにしろこの周辺は熊が多いことでも知られている土地。鈴もつけていない僕は、さすがに「この先熊多し」の看板が立つ、高妻山に向かう登山道に入る勇気はなかった

夢見平遊歩道は途中いくつかの道に分かれるのだが、その道にキツネ、ウサギ、タヌキなどのコース名がついているのがおかしい。キツネコースにある夫婦泉では美味しい水が手に入る。この遊歩道は野草好きにはたまらん場所だと思う。5月にはカタクリ、ショウジョウバカマ、リュウキンカが、6月にはマイヅルソウ、イチヤクソウ、ラショウモンカズラ、チゴユリ、ナルコユリ、エンレイソウ、など、たくさんの野草達に出会える

写真は天狗山に登る途中で見かけたギンリョウソウである。日陰の落ち葉が溜まっている場所に、怪しく咲くギンリョウソウを見かけると、夏が始まったなぁぁと実感する
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[82] 新潟県 妙高高原 笹ヶ峰 雨上がりの森に舞うマイヅルソウ 2002.5.28
6月中旬から下旬にかけての笹ヶ峰牧場一帯はキンポウゲの群落で埋め尽くされる

一般的には、このキンポウゲの花見が知られているが、牧場周辺には、行く筋もの小さな沢や湿原があり、6月上旬にはクリンソウにも出会える。このころテンナンショウの仲間やマイヅルソウが咲き始め、初夏の訪れを感じることだろう

乙見湖から県道に出る途中、右側に駐車場がある。ここに車を停め、遊歩道沿いを散歩することをお薦めする。アカゲラやホトトギス、ミソサザイなど、小鳥たちの囀りを聞きながら森の中や牧場を気持ちよく歩ける。ここは野鳥の宝庫なのだ。なお笹ヶ峰には、クリスマスツリーでお馴染みのドイツトウヒの森もあるので、こちらも立ち寄るとよいだろう
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[83] 北海道 道央 支笏洞爺 隠れた名瀑 美笛の滝 2002.5.29
北海道をくまなくとはいかないものの、函館から知床、宗谷岬まで、道南、道東、道北と旅をした。その中には3週間ものキャンプ旅をしたこともある。それでも北海道は広く、「隅々まで見た」とはとてもいえない。だから北海道を語るには、地元で毎日フィールドに接している方達には到底かなわない

僕がRISEという北海道のアウトドア雑誌と出会ったのは、神田神保町の書泉ブックマートだった。レジの横に平積みされたその雑誌をペラペラとめくると、鳥肌が立ってくる自分に気づいた。十勝川を特集したRISE Vo.3は東京の大手出版社が発行しているアウトドア雑誌とは一線を画していた。十勝川の源流から河口までを詳細にルポしている。また十勝川だけでなく、釧路湿原を空撮したカットや北海道に生息する動物、生物、植物も丁寧、かつ、素晴らしい写真で紹介していた。そこには人と自然との関係、つまりいわゆる商業ベースを取り除いた、真のアウトドアライフについて、熱く語られていた。企画を決め、丹念に取材し、1年もの歳月をかけ、その雑誌は作られていたのだ。年に1度の発刊、しかも地域限定発売。書泉ブックマートに置いてあったのは、今から思えば奇跡に近かった

その雑誌を創刊した編集長が長野晃さんだった

僕はRISEを創刊した、この編集長に会いたくて、さっそく電話をしてみた。しかし長野さんは、常にロケに出かけてなかなかつかまらない。やっとコンタクトがとれたのは、季節も冬、札幌雪祭り間近であった。僕は飛行機で雪祭りの札幌に飛んだ。RISEの編集室は財研というアパマン情報誌を出版している会社の小さな一室にあった。なにしろ編集といってもスタッフは長野さん一人、だから本当に小さな小さな編集室だった

長野さんは、僕よりもずっと若く、ハンサムで、タフな人だった

彼はRISEで使用する写真の多くを撮影していた。つまり自ら現地を取材し、編集をしていた。もちろん彼の写真だけでなく、彼のコンセプトに賛同した、北海道のネイチャーフォトグラファー達の作品もRISEの重要な位置を占めている。定価1800円という高価な雑誌だったが、広告も殆ど無く、A4よりも大きいその本は、十分価格に見合う内容だ

短い訪問時間だったが、僕は、僕自身が抱いていた、自然を対象としたコンテンツ論をおそらく機関銃のように、長野さんにぶつけていたように思う。彼もまた、彼自身のスタンスを明確に述べられた。会話の内容を書き出すと、長くなりすぎるので、割愛するが、少なくとも長野さんとの出会いが、その後の僕のデジタルコンテンツ作りに大きな影響を与えたことは間違い無い

訪問後、数年が経過し、僕はアウトドアCD-ROMコンテンツを製作した。当時500枚も売れれば成功といわれていたCD-ROMだが、そのCD-ROMは5000枚も売れた。ゲームが大半の中でアウトドアを扱った渋いコンテンツなのに。この報告を真っ先に長野さんに伝えたく、RISEに電話をかけた。しかし、その電話に出たのは長野さんではなく、森山さんという新人の方だった。彼から告げられた内容を聞いて、思わず受話器を落としそうになった。長野さんは亡くなっていたのだ。それも僕が電話をする少し前に

長野さんは森山さんと一緒にオンネトーの取材に愛車パジェロで出かけていた。その日の取材を終え、森山さんはテントで、長野さんは車で寝た。翌朝、森山さんが長野さんを起こしに車をたたくと返事が無い。おかしいと思いドアを開けると、長野さんは既に亡くなったいた。急性心不全だったようだ

僕はショックだった。彼とは、お互い、今までにないアウトドアコンテンツを作っていこうと誓い合っていたからだ。僕は、彼との約束のデジタルコンテンツを作り上げた報告をするために電話をかけた。しかし、その時、彼はもうこの世にいなかったのだ。僕は長野さんの思いを無駄にはしないと自分自身に誓った。その後、森山さんとは吉祥寺で出会うことができた。彼からは、RISEを引き継ぎ、編集長となったことを告げられた。僕が提案した、北海道のキャンピングガイドを長野さんは約束通り作り上げた。その北海道キャンピングガイドは、今年も森山さんが発行してくれるはずだ


写真は支笏湖から洞爺湖に向かう途中にある美笛の滝だ

あまり名を知られていない滝だが、北海道の滝の中でも、かなり美しい滝に入ると思う。滝までは車を停めて、渓流沿いを歩くこと15分くらいだろうか。辿り着くまで、気持ちよい森林浴を楽しめる
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[84] 北海道 道央 支笏洞爺 美笛の滝に咲くシャクの花 2002.5.29
写真は滝への入口に咲いていたシャクである

北海道の著名な滝で、思い出に残っているものは、カムイワッカの滝、乙女の涙、銀河の滝だろうか。それらと比較して、美笛の滝はマイナーな存在かもしれない。実際、現地で観光客とは一人も出会わなかった。しかし、全長約50mの滝は、いままで北海道で見た、どの滝よりも、美しいと感じた。乙女の涙ほどのスケール感こそないが、周りの森の緑と、辿り着くまでの渓流が美しい。滝壷まで降りることもでき、また周りは山桜が多い。5月には花見ができるのだが、この周辺、実はヒグマもかなり出没するので、十分注意して欲しい
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[85] 北海道 道央 支笏洞爺 いとう温泉 湖を眺めながら露天風呂に浸る 2002.5.30
支笏湖では、美笛、モーラップ、ポロピナイのキャンプ場がメジャーな存在だが、昨今のキャンプやジェットスキーの流行で、だいぶモラルが低下している。僕が訪れた6月のウィークデーは、どこも人は少なく静かであったが、真夏は、富士五湖は西湖のように悲惨だろう。混雑が嫌いな方には、少し渋めのキャンプ地として、支笏湖オコタン野営場がある。こちらは釣り人の利用が多い。トイレや炊事場が遠いなど、不便はあるものの、メジャーなキャンプ場の騒々しさからは解放される


支笏湖に直接触れる露天風呂が、いとう温泉露天風呂だ

旅の楽しみに温泉がある。支笏湖でお薦めの温泉は「いとう温泉」だ。ポロピナイにある「いとう温泉」の露天風呂は、支笏湖の一部を堰きとめて作ったのではないか、と、思うほど、まさに湖に面して存在する。なんと男風呂からはそのまま支笏湖に入れてしまう。もっとも現在は、支笏湖への入水は固く禁止されているのだが。つまり、ジェットスキーの連中からは、まる見えということになるが、そんなことは気にしない。湯は源泉100%の弱食塩泉だ。風不死岳、樽前山の展望を楽しみながら、温泉三昧できる
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[86] 北海道 道央 支笏洞爺 ルピナスで始まる北海道の初夏 2002.5.30
北海道といえば原生花園や富良野・美瑛のラベンダーに象徴されるように、花の大地というイメージがある。多くの人達は、夏休みに北海道を訪れる。僕もそうだ。しかしですよ。8月の北海道で花に出会える場所は、ヒマワリ畑を除くと、大雪山など、高山しかないと思うほどに少ない

花を見たいのならば6月に来てください

毎度、地元の人々から聞く言葉である。で、それを信じて6月中旬に道央、道南を訪れてみた。しかし、期待していた、一面の花園はどこにも見当たらない。僕が訪れた時期は、ちょうど春の花が終わり、夏の花達が咲く前の端境期だったようだ

がっかりの花旅となってしまったが、支笏湖周辺の空き地でルピナスを見つけた。盛りをちょっと過ぎた状態だったが、僕にとっては北海道らしい風景にやっと巡り会えたわけで、元を取った気分になれた。せこいなぁぁ、小物の自分
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[87] 北海道 道央 支笏洞爺 夕暮れ間近の支笏湖と風不死岳 2002.5.31
写真は夕暮れ間近なポロピナイキャンプ場近くから見た風不死岳だ

支笏湖といえば釣りである。それも大物のレインボウトラウト。80cmオーバーのニジマスも夢ではない。ジェットスキーが盛んになり、釣り人には迷惑な話であるが、それでもアメマス、ヒメマス、ブラウン、レインボウを求めて釣り客は訪れる

この中でも支笏湖のヒメマスは特別な意味を持つ

現在では人工孵化放流している支笏湖のヒメマスだが、日本でも貴重な意味を持つ魚だ。そもそもヒメマスは阿寒湖とチミケップ湖のものが、各地に孵化放流され広がったが、支笏湖ほどヒメマスの特長をキープし、かつ、それなりの量が生息している場所はない。しかし、このヒメマス、1984年をピークに現在は激減している。ヒメマスが降海、遡上するとベニマスとなる。千歳川を遡上するベニマスを一度見てみたいものだ。淡水魚の図鑑を製作する時に、写真と文を提供していただいた、田口哲さんは、それまで住んでいた東京から札幌に移住された。そしてサケやサクラマスが遡上する川のある、土地も購入し、フィールドとされている

支笏湖ではヒメマスが減少し始めると、在来種のアメマスが増加したようだが、ニジマスの数にはかなわない。元々支笏湖にいた魚はアメマスとカジカだけだといわれている。つまりヒメマスもニジマスもブラウンも外から持ち込まれたものだ。特にブラウンは他の魚をたくさん捕食するのでやっかいものだ。最近ではブラックバスを見たという人もいるという。これだけ大きな支笏湖ではあるが、魚達にとっては生きていくのにギリギリの状況なのも確かだ
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