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[98] 長野県 高ボッチ鉢伏山 鉢伏山のレンゲツツジ Part2 2002.6.20
高ボッチや鉢伏山の魅力は、初夏から夏にかけて、見事なお花畑が展開することだろう

6月のレンゲツツジに始まり、7月下旬にはニッコウキスゲが咲き乱れ、8月中旬になると、一面のマツムシソウが涼しさを届けてくれる。梅雨に入った鉢伏山は霧が多い。山小屋近くには、小さな沼もあり、霧の間から見える沼は幻想的ですらある

高ボッチにしろ、鉢伏山にしろ、展望の素晴らしさは天下一品だ

北アルプスから、浅間山、八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、御岳山まで360度の大パノラマを味わえる。しかも、人は少ない。まさに展望ファンにとっては堪えられない天国の地なのだ。だから僕はこの場所の人気度が高まることを恐れている。それゆえ、人に尋ねられても、お隣の霧ヶ峰や美ヶ原に出かけることを薦めている。2002年から、僕の大嫌いなビーナスラインも無料となったので、一般の方達は、きっと、あちらを訪れてくれることだろう。内心、しめしめと思っているのである
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[99] 長野県 白馬 栂池 栂池自然園のミズバショウ Part1 2002.6.23
栂池という地名を知ったのは、僕が高校生の時だ。旺文社の大学受験ラジオ講座というラジオ番組があり、毎年夏休み前には必ず「栂池サマースクール」という合宿の募集をおこなっていた。その番組は、いかに栂池が涼しく、勉強に最適で、かつ美しい場所であるかをくり返し告げていたので、これは一度は訪れてみなきゃいかんなぁぁと思ったものだ

その後、白馬には何度も足を運んだのだが、何故か栂池だけは行かずじまい。気がつくと40歳をとっくに過ぎ、これではあかんと思い、出かけてみたものの、スキー場だらけで、なんとなく初恋の人に振られたような気分になってしまった


夏なのに雪原で新緑と花見を楽しめる

しかし栂池は白馬登山の出発点でもあるし、6月中旬〜7月上旬まで、ミズバショウの群落を見られる貴重な場所でもある。やはりもう一度行かねば、ということで、ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、栂池ビジターセンターを目指した

ロープウェイを降りると、なんと春の花であるショウジョウバカマやフキノトウが咲いているではないか。うっうそだろう..と..つい口に出てしまうほどに、信じられない光景がそこにあった。雪の壁をぬけながら栂池ビジターセンターに辿り着くと、7月だというのに、そこは360度、雪、雪、雪なのだ。隣の八方で、真夏の雪は体験していたが、ここの積雪量は4月に訪れた姫川源流の雪よりもずっと多い。木々は、まさに新緑真っ盛り。そしてミズバショウがあるあるある..すっげぇぇ..と..感動したその直後、あれっ、な〜んか、このミズバショウ変。そうなのだ。ミズバショウの色は、白でなくて、薄茶色というか、まるでモヤシのように、黄色がかっているのである。そういえばフキノトウも黄色かった。日光の当らない、雪の中で長い時間暮らしているせいか、栂池のミズバショウは黄色っぽいのであった
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[100] 長野県 白馬 栂池 栂池自然園のミズバショウ Part2 2002.6.23
僕が栂池のミズバショウを見に訪れた、その時は、ミズバショウ祭りが丁度開催されていて、地元の方達がケンチン汁をふるまってくれた。全く7月だというのに、寒くて寒くて、たまらんと思っていたところなので、このもてなしは嬉しかった

ミズバショウを撮影していて、カメラの前方に異様な軍団がいることに気づいた。なんだろうかと、観察していると、どうやらテレビの撮影をしているらしい。雪原の遊歩道にレールを敷き、トロッコのような台車にカメラマンが座り、リポーター(アナウンサーかな)が遊歩道を歩きながら、風景の解説をしている。それにしてもロケのスタッフの数がはんぱじゃない。照明さんはライトを林のようにセットし、音声さんは、立派なミクシングコンソールを操っている。使用しているビデオカメラを見ると、どうやらハイビジョンでの撮影のようだ。ご苦労様であるが、これだけの機材と、人を揃えるとなると、ロケ費用も相当な金額になるはずである。と、ついつい、ソロバンをはじいてしまう、悲しい性が出てしまう僕であった

帰り際にロケバスを見たら、NHKと書いてある
どうりでロケ費用をふんだんに使えるわけだと納得して下山
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[101] 群馬県 片品村 尾瀬ヶ原 涼風に漂うオゼコウホネ 2002.6.26
7月上旬の尾瀬ヶ原に訪れた。ミズバショウが終わり、ニッコウキスゲが咲くまでの尾瀬ヶ原はワタスゲやヒオウギアヤメ、カキツバタ 、レンゲツツジが美しい

湿原には可愛らしいハッチョウトンボが飛び、モウセンゴケが昆虫達を待ち、池塘にオゼコウホネをたくさん見ることができる。オゼコウホネは、花よりも葉に魅力があると思う。葉は、ヒツジグサの葉よりも少しコンパクトだが、葉の集まった様子はヒツジグサよりも品があり、美しく感じる
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[102] 群馬県 片品村 尾瀬ヶ原 白穂がまぶしい尾瀬ヶ原のワタスゲ 2002.6.27
風に白穂が優しくなびくからだろうか、湿原に広がるワタスゲをみていると、心が和む

ニッコウキスゲの咲く尾瀬も大好きだけど、地味なワタスゲも愛すべき存在だと思う。休日のニッコウキスゲの咲く尾瀬は、落ち着いて花を愛でるという雰囲気ではない。木道に立ち止まると、後ろから邪魔だとせっつかれるのが、気ぜわしい。比較してワタスゲの季節は、燧ヶ岳、至仏山を交互に眺めながら、ノンビリと花見ができる。ワタスゲが終わり、ニッコウキスゲが咲き始める頃、山ノ鼻と龍宮ではゲンジボタルが飛び交う。日程に余裕があれば、戸倉から坤六峠を経て奥利根、水上に出ることをお薦めする。アヤメやヤマホタルブクロなどの夏の野草、そして美しい滝と渓流に鳴くカジカガエルなど、尾瀬とは、また趣の違う、涼を味わうことができる
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[103] 群馬県 榛名山 夕暮れ間近 ゆうすげの道 2002.7.1
7月も下旬に近づく頃、念願のゆうすげを見に、榛名山の麓「ゆうすげの道」を訪ねた

ゆうすげという響きが好きだ。名前の由来は、夕方に咲く花からきているが、僕は「つう」とか「さち」など、どこか懐かしい日本女性を彷彿してしまう

榛名山ロープウェイ乗り場の東側、伊香保温泉に向かう道沿いに「ゆうすげの道」はある。駐車場に車を置き、夕暮れの道を歩きはじめた。まもなく、誰もいない道の先に、やわらかなクリーム色の花が見えてくる。初めてのデートのような、待ち合わせ先に彼女の姿を見つけた、そんな胸の高まりを感じながら、一歩一歩近づく

ゆうすげは、僕が夢想していた通り、美しい女性だった。その淡い黄色が、純朴で美しい。ニッコウキスゲは白人女性のようなバタ臭さを感じるのに対して、ゆうすげはつつましやかな存在。だからか、遠慮がちに咲いているように思えた
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[104] 群馬県 伊香保 佐久間煎餅店の風味豊かな手焼きさんしょ煎餅 2002.7.2
伊香保温泉は石畳の階段沿いに、ひなびた懐かしい店が建ち並ぶ

この石畳を上り詰め、右側の道に沿い、湯元治山公園に向けてのんびりと散歩をしていると、煎餅屋がぽつんとあった。僕は手焼きの塩煎餅には目がないので、さっそく店内に入ってみると、おじさんが焼いていた煎餅は塩煎餅ではなく、いわゆる瓦煎餅のような煎餅だった

神戸の瓦煎餅や福岡のにわか煎餅は、小麦粉、卵、砂糖をこねてから蒸し、乾かしてから、鉄の焼き型で焼いた煎餅で、粳米をこね、乾燥させてから、醤油と砂糖を塗り、網の上で焼いた塩煎餅とは、同じ煎餅といっても、随分と見かけも味も違う

店内には山椒のいい香りが漂っている。おじさんに尋ねると、この店で作る煎餅は「さんしょ煎餅」といって、山から採ってきた山椒の葉を、そのままの形で焼きこんだものなのだそうだ。1枚1枚、おじさんは実に丁寧に焼き上げていく。その真剣なまなざしを見ると、やはり食べてみたくなるのが人情だ。しかも1枚40円と随分安い

さっそく、おじさんに1枚分けてもらい、口の中にほうばると、ぷ〜んと山椒の心地よい香りが広がり、適度な甘さとサクサク感のバランスが絶妙。これはウマイッ。土産用にさっそく購入、散歩の続きをし始めると、道沿いに立派なヤマユリが1輪咲いていた
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[105] 滋賀県 米原 醒井 地蔵川にたゆたうバイカモ 2002.7.5
ハリヨの棲む川が琵琶湖の近くにあるという

天然記念物に指定されているハリヨはトゲウオ科の魚でイトヨの仲間だ。この魚は絶滅危惧種にあげられるほど、生息地域は限定されている。湧水のある、限りなく水のきれいな場所でないとハリヨは生息できない

琵琶湖は堅田にある、昆虫写真家の今森さんのスタジオを訪ねた帰りに、ハリヨの棲む川を訪れてみようと思った。しかし川の名も、また正確な地域もメモしていなかったので、琵琶湖東岸、近江八幡周辺の川を、ほぼくまなく探してみたのだが、どの川もおせじにもきれいとはいいがたく、とてもハリヨが棲めるような川ではなかった。結局、ハリヨ探訪は諦め、自宅に戻ることになってしまった

帰宅して、さっそく宿題となった川とその場所を調べ直すと、琵琶湖よりも、もっと岐阜に近い米原町醒井(さめがい)の地蔵川であることが分かった。これだけ琵琶湖から離れていては見つけられなくても当然だった

それから数年が過ぎ、リベンジすべく、7月の醒井は地蔵川に出かけたのだが、実のところ、この時もすんなりと地蔵川には辿り着けなかった。資料に出ていたイラストを頼りにカーナビの地図に表示されている川を目指してみるものの、どうも雰囲気が違うのだ

醒井は旧中山道醒井宿であることを思い出し、きっともっと町中のはずだと、目星をつけた町並みの路地に入り込んでみると、そこが地蔵川の始まりでもあり、水が湧き出ている加茂神社、居醒の清水だった。湧き出る水をボトルに詰めている姿も見られる。間違い無い。ここにハリヨはいるはずだ

居醒の清水から流れ出た水は、地蔵川となる。川下の左岸は地域の人々が住む家が立ち並び、右岸は道路を挟んで宿場がある。いや江戸時代は確かに宿場だったが、現在はレトロな風情の店舗が立ち並ぶ。コンクリートの護岸こそないが、川はきちんと整備され、岐阜は郡上八幡の水路のような雰囲気。なにしろ勝手の戸を開けると、そこはもう川なのだ。つまり川は自宅の一部でもあり、この水を利用できるように工夫され、庭を飾るように、花も添えられている。この地域の方々の地蔵川への愛をヒシヒシと感じる。なんともうらやましい


バイカモの白い花が川の流れに身をまかせている

じっとそのバイカモを見つめていると、ふいに黒い影がバイカモを横切った。ハリヨだ。しばらく観察していると、何回か、すっすっと泳ぐハリヨの姿を見ることができた。醒井は、人とハリヨが共存している。比較して、日本の多くの川は生活廃水を垂れ流すドブ川ばかり。今から30年前までは、東京近郊でも、あれだけ見かけたメダカすら、絶滅しかけている。わずか30年で失ったものは、取り返しのつかないほどに大きい
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[106] 滋賀県 米原 醒井 川とハリヨを友に暮らす幸せ 2002.7.5
居醒の清水から地蔵川に沿って醒井(さめがい)の宿場を歩きはじめると、この町に車は全く似合わないことが、すぐにわかるだろう。ノスタルチックな町並みは、今でも宿場町の雰囲気を醸しだしている。この宿場町の特長といえば、やはり地蔵川の作り出す、川の風景の美しさにつきる。静岡県三島の柿田川のように、バイカモが育つ水は、飲めるほどにきれいだ。そこには天然記念物のハリヨが棲んでいる。ハリヨと出会いたければ、地蔵川を訪れることをお薦めする

醒井の風景を東京で例えると、三鷹市、武蔵野市にまたがる井の頭公園から湧き出た水は、公園の終わりで神田川になるが、その神田川沿いの風景が一番近いと思う。しかし違いは歴然だ。神田川は、その始まりから既にドブ川だ。バイカモなど望むべくもない。玉川上水も生活とは分離されてしまっているし、また国分寺のお鷹の道(野川)は、今でもまだきれいな水を保持しているけど、醒井の人達ほどには、生活の中に川が溶け込んでいるようには思えない。都の管理下の公園として保護された地域だからだ

醒井は、川と人が共存している、日本でも残り少ない貴重な場所だ。郡上八幡ほどにはメジャーでないことも、僕にとっては嬉しい。この宿場が妻籠や馬籠のように観光客で溢れてしまったら、この川の美しさはあっという間に消滅してしまうように思うのだ。サクラの咲く4月、あるいはバイカモの花咲く7月に訪れるとよいだろう
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[107] 滋賀県 大津 涼風かけぬける夕立の田圃道 2002.7.9
関ヶ原を越え、京都の手前、大津までの名神高速からの眺めが好きだ
特に7月の景色がたまらない。滋賀県は田圃が実に美しいところだと思う

と..いきつけの美容室の主人に話したら、彼は全く反対だという
名神高速の中でも、滋賀県はもっとも退屈する区間だというのだ

彼にとっては、山の木々が茂る空間をドライブすることが快感なのだそうだ

だから、彼の行くキャンプ場は、木々にかこまれ、その下にテントを張ることが、絶対条件
頑固なまでに、この法則を貫いている

写真は琵琶湖大橋を渡り、堅田から仰木を過ぎたあたりの里山で出会った田圃だ
ちょうど夕立が降り始め、涼風が道をかけぬけていった
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