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[118] 新潟県 板倉 天空の牧場 光ヶ原高原 | 2002.8.2 |
長野県飯山は鍋倉高原から新潟県板倉に抜ける峠が関田峠だ 鍋倉高原側から関田峠に向かう道は、若いブナ林に包まれ、美しい緑を堪能できる。途中にはいくつかの池があり、釣り人やハイカーで賑わっている。特に茶屋池は鍋倉山や黒倉山を目指す登山客、ブナ林の散策を目的とした人達に人気の場所だ 茶屋池を過ぎると湿地帯が現れ、まもなく関田峠に到着する 峠の先は新潟県であることは承知していたのたが、峠から見る風景までは予測していなかった。車から降り、眼前に広がる風景を見た瞬間、鳥肌がたつのが分かった。そこには天空に突き出るかのように、美しい緑の台地が広がっていた。そして向かって左手にあたる西の峰を眺めると、黒姫、高妻、妙高、火打、焼山と、美しい名山が鎮座している。そのまま北に向かい、峰の続きを追いかけると、最後は日本海の青い海に繋がっていた。見事な展望だ。松之山から野々海池に抜ける深坂峠の展望も素晴らしかったが、関田峠の展望の素晴らしさは群を抜いている。霧ヶ峰のビーナスラインなんて目じゃないと思った。しかも人や車も殆ど見かけない。この素晴らしい風景を独り占めできる快感よ。空気の透明度が良いと、能登や佐渡まで一望できる光ヶ原高原は、僕のとっておきの場所となったことはいうまでもない 峠を板倉方面に下る途中、右手に、板倉ファミリーパークのキャンプ施設、光ヶ原森林公園があり、ここではキャンプや釣りも可能だ。さらに下ると、峠から見た、あの天空の台地、光ヶ原高原牧場に出る。ここも板倉ファミリーパークの施設の1つなのだ。牧場では乗馬や可愛い動物たちに触れ合うことや、美味しいソフトクリームも食べられる。家族そろっての夏のレジャーにピッタリの場所だろう。駐車場の車を確認したのだが、夏休み真っ最中だというのに、東京ナンバーを見かけることは殆どなかった [画像を表示] | |
[119] 長野県 飯山 鍋倉高原 アスパラの花風鈴 | 2002.8.3 |
夏の鍋倉高原といえば、ハーブとホタル狩り ユニークガーデンやファーム鍋倉ではラベンダーが美しく咲く。ところで僕はハーブ園に辿り着く間に見かけた、草緑色のもやもやっとした細い葉が固まっている不思議な畑が気になって仕方なかった。ハーブの撮影も終え、そこで草緑色のもやもやっとした細い葉の固まりである珍妙な野菜らしきものをあらためて見に出かけた。不思議な植物だなぁぁ。一体なんだろうか。よくよく観察すると、白に近い薄緑色の小さな花が咲いている。メモとしてデジカメでとりあえず撮影してみたものの、正体を知りたくてしかたない。そこでこの畑周辺を移動しながら農作業をしている方を探してみた。やっとこさ、一人の男性に巡り会え、「あのもやもやっとした緑の植物はなんですか」と質問すると、男性は一言「あっアスパラのことか」と聞き返されてしまった。「えっあれがアスパラなんですか」「そうだよ」 ということで無事正体は判明。翌日訪れた木島平にもアスパラ畑はたくさんあった 長野のアスパラって、スーパーでいつも見てたので存在は知っていたけど、実物を見るのは初めてだった。あのスーパーで売られている姿と目の前の野菜の姿がどう想像しても結びつかない。どちらかというと、見るからにあれはハーブですよ..って..そういえばアスパラガスは元々ハーブだったんだよなぁぁ..やっぱり..と..納得したのであった [画像を表示] | |
[120] 長野県 木島平 郷愁を誘う露天風呂 馬曲温泉 | 2002.8.5 |
木島平というと、どうしてもスキー場のイメージがつきまとう 夏、高井富士こと高杜山の北斜面に広がる、イングリッシュガーデンをイメージした「木島平やまびこの丘公園」では、ハーブの花が美しく咲き、別荘地のレストランもお洒落なものが多い 比較して馬曲(まぐせ)川周辺の木島平は、古きよき日本の風景が広がる 内山地区にはレトロな「手すき和紙体験の家」があり、子どもから大人まで、楽しい和紙づくりを体験することができる。馬曲はヤマブキの里ともいわれるが、馬曲川平沢地区では、春はフクジュソウのお花畑、夏は川沿いの土手にノカンゾウの群落を見ることができる。さらに川を遡るとイワナの釣堀「フィッシングパーク馬曲」が現れる。ここで道は二又に分岐、左折して山道を登りきると「馬曲温泉望郷の湯」に到着する。敷地内にはひなびた水車小屋があり、そこを過ぎると露天風呂に出る。小さな露天風呂だが、南西方向の展望は美しく、高社山を眺めながらゆったりと湯に浸れる [画像を表示] | |
[121] 長野県 菅平高原 北アルプスを一望 菅平牧場 | 2002.8.6 |
夏の菅平といえばラグビー部の合宿風景 彼らの練習試合を見ているだけでも、熱くなってきます。ラグビーや相撲など、肉体同士のぶつかりあいって、本能的に惹かれるものがありますね 最初に菅平を訪れた時は、真田町の下横道から半田入谷川沿いに林道を入り、大松山から菅平のスキー場に出るコースを選択した。この道はもちろん未舗装で道幅もかなり狭い。車1台走るのがせいいっぱいの林道が続き、対向車がきたらどうしようかとビクビクしながら走った。道はかなり荒れてはいるものの、デリカ4WDのおかげでなんとか切り抜けられた。現在のキャンパーでは到底走行は無理だろう。しかし半田入谷川沿いでは、一面オミナエシのお花畑にも出会えたし、林道に咲くヤナギランも美しかったので十分に満足している そんな記憶を思い出しながら、夏の菅平を訪れてみた。今回の目的の1つは菅平湿原を訪れることだ。湿原の入り口、菅平高原自然館から木道を歩きはじめるとミソハギやシシウドの花たちが出迎えてくれた。この湿原にはクロサンショウウオやイタチやタヌキなどの動物たちも生息している。また野鳥の数も多く、バードウォッチングには格好な場所ではないかと思う。避暑を兼ねての散策コースとしてお薦めだ 菅平の展望はビカイチ 北アルプスから戸隠、黒姫、妙高まで一望できる 菅平高原は四阿山の麓に位置し、根子岳、四阿山への登山道は菅平牧場から始まる。この牧場からの北アルプスの展望は写真のとおり、鹿島槍から白馬までバッチリと見える(実際はもっと南側の北葛岳から、北は乗鞍岳までのパノラマを楽しめる)。戸隠、黒姫、妙高を見るには峰の原高原に行くとよい。こちらではヤナギランのお花畑の先に北アルプス、そして戸隠、黒姫、妙高を眺められる。夏の菅平は、スポーツマンが多いせいだろうか、爽やかな若者が多く、バーで美味しいお酒と音楽を聞きながら過ごす一時が好きだ [画像を表示] | |
[122] 長野県 湯ノ丸高原 野草の宝庫 池の平湿原 | 2002.8.7 |
池の平湿原は長野県と群馬県の県境近く、高峰高原から湯ノ丸高原地蔵峠に向かう、湯ノ丸高峰林道の途中にある、標高2000mの高層湿原だ。夏の期間、7月14日〜8月26日までの土日祝日と旧盆はマイカーの乗り入れはできず、湯ノ丸高原からシャトルバスで池の平湿原入り口まで行くことになる 池の平湿原の魅力は野草の種類の多いことだ 6月はイワカガミ、スズラン、ハクサンシャクナゲ、そして下旬から7月にかけてはレンゲツツジ、アヤメが咲き誇り、8月にはマツムシソウ、リンドウ、クルマユリ、ハクサンフウロ、クガイソウ、ウメバチソウ、ワレモコウ、ヤナギラン、ノアザミなど、沢山の野草たちが美しく咲く。また近くの三方ヶ峰では7月コマクサの群落も見られる 池の平湿原を訪れるのならば高峰高原にも立ち寄ってみよう 7月下旬から8月上旬にかけて、高峰高原ではニッコウキスゲの群落やシモツケソウ、タカネナデシコなど、池の平湿原にも決して負けないほどの野草に出会える。こちらは駐車場の隣がお花畑だ 高峰高原といえば、高校時代、部活の合宿で毎年高峯山を訪れていた。落雷にあい、装備を全て残して、部員を引き連れ緊急避難したことや、夜、小諸の花火大会を眼下に堪能したことなどを懐かしく思い出す。特に落雷の経験は貴重だった。雷は上からではなく、地面に沿うように、横から落ちてくる。なにしろアマチュア無線用の50MHzヤギアンテナを頂上に立てていたので、たまったものではない。機器に触ると、ビビビッと感電しちゃう。AC100Vに直接触れたような強烈な電撃が体に走るのだ [画像を表示] | |
[123] 長野県 小諸 菱野温泉 ケーブルカーで登る山頂の露天風呂 | 2002.8.9 |
「雲の助」という露天風呂との出会いは偶然だった そろそろ夕食でもと、高峰高原から小諸に向けてチェリーパークラインを下っていると、右に大きくカーブするところで「きのこの森は右折」という看板を見つけた。どうやらきのこ料理店のようだ。もちろんきのこ料理を食べられる店をわざわざ見過ごす手はない。看板に従って道を右折、林道をしばらく走ると、右手の丘に「きのこの森 ふわり家」はあった 店の主人はきのこフリークだった きのこは栽培物が中心だが、ヤナギマツタケやヒラタケ、ヌメリスギタケの出来は極めてよい。とても栽培物とは思えないほど天然に近く、素晴らしいきのこだ。このきのこを目の前の七輪で炭焼きにしてほうばる。なんとも旨い そろそろ食事も終わる頃、外出先から店の主人が戻り、なんと裏山で採ってきたばかりのきのこを見せてくれたばかりか、大きなアカジコウまで調理して食べさせてくれた。いゃゃうまかったなぁぁ。この店では年間、約50〜70種のきのこ料理を食べさせてくれる。いろいろ話を聞くと、ご主人こと花岡道別さん、実は相当なきのこフリーク。趣味が高じて、きのこ料理の店まで作ってしまったというのが真相のようだ ご主人の経営する温泉が「雲の助」だ 「きのこの森」からさらに車で5分ほど走ると、菱野温泉に到着する。その中、島崎藤村も愛した常盤館が花岡道別さんの経営する旅館である。そして、この旅館の山の頂上に露天風呂「雲の助」はある 露天風呂「雲の助」へは専用のケーブルカーこと登山電車に乗っていく 旅館のロビー横にある山麓駅から登山電車に乗車する。車内の赤い発車ボタンを押すと動き出し、約1分半で山頂駅に到着する。いい年の大人でもわくわくするのだから、子どもだったら、何度もこの登山電車で上り下りしたがるのではないだろうか 露天風呂からは八ヶ岳や蓼科山、奥秩父の山々を一望できる 露天風呂はこじんまりとしたサイズだが、テラスからは八ヶ岳、金峰山、瑞牆山など奥秩父の山々までを一望できる。花岡さんの話では、運が良ければ富士山も見えるとのこと。本当かなぁぁ..と..カシミールで確認してみたが、ギリギリ頂上付近はなんとか見えそうだ この露天風呂、注文すると生ビールや日本酒を風呂場までデリバリーしてくれる。これは飲兵衛にはたまらんサービスだ。なお「雲の助」から徒歩2分の所に浅間見台があり、三方ヶ峰、高峯山から黒斑山、浅間山を展望できる。まさに展望ファン御用達の露天風呂といえよう [画像を表示] | |
[124] 秋田県 羽後町 これぞ和製ラップ 西馬音内盆踊り | 2002.8.18 |
西馬音内(にしもない)盆踊りは世界一の盆踊りなんですよ 車のラジオから聞こえてくるゲストの語りを聞くともなく聞いていると、8月16〜18日の3日間、秋田県羽後町でおこなわれる盆踊りは、世界一の規模なのだそうだ。何が世界一なのかはよくわからなかったが、盆踊り自体日本にしかないのだから、おそらく日本一の盆踊りといいたかったのだろう 湯沢は不思議な町だ。国道沿いに飲み屋が延々と続いている。どうしてこんなに飲み屋が多いのだろうか。夕食を食べに駅近くの鮨屋に入り、そのことを店主に質問したら、「湯沢は酒どころの町だからでしょう」といわれた。いあわせた客たちも頷く。そういえば清酒爛漫は湯沢の酒であることを思い出した。湯沢には小さな造り酒屋は多いのだそうだ。そんな話をしていると店主が隣町で珍しい盆踊りをやっているから見に行くとよいという。今日は最終日で夜11時頃まではやっているらしい。隣のお客さんが、「夜10時を過ぎると面白くなるぞ」という。どうやらその盆踊り、音楽は生演奏で唄い手がいるらしく、しかも10時を過ぎると歌詞の内容がかなり艶っぽくなるというのだ。見に行かない手はない。詳しい場所を聞くと、それが羽後町の西馬音内盆踊りだった。この時、数年前にラジオで聞いた「世界一の盆踊り」と、店主たちが是非見に行きなさいと薦める盆踊りが同じ物であることを知った これぞ和製ラップ 西馬音内盆踊り 羽後町は、のどかな「あきたこまち」の田園風景が続く。中学校の校庭が臨時の駐車場、そこに車を停め、本町通りの西馬音内盆踊り会場に向かう。1本の細い商店街の両脇に松明がたかれ、その道に沿って踊りが始まっている。普通、盆踊りというと、広場の真中にやぐらを組み、太鼓をたたき、その周りを踊るのが一般的だが、西馬音内の盆踊りは違う。通りの始まりと終わりの間を浴衣や端縫い衣裳を身にまとった女性が黒頭巾や編み笠を深くかぶり、踊りながら道を練り歩く。男性もいるが、主役はあくまで女性だ。遠くから囃子と唄い手の声が聞こえてくる。それはまさにラップといってよいほどに、リズムと言葉が一体化し、体が自然に疼いてくるほどのパワー感溢れるものだ。秋田弁??、あるいは羽後町の訛りなのだろうか、僕には殆ど日本語として聞こえてこない。なんとか単語レベルで歌詞の内容を翻訳してみると、確かにすごくエロティックな話だ。まさに夜這いのことを唄っている。通りをさらに進むと、片側にやぐらが見えてくる。そのやぐらで演奏はおこなわれているのだが人数がすごい。大太鼓、小太鼓、笛、三味線、鼓、鉦という編成で、三味だけでも5,6名、総勢20名近くにものぼり、まさにビッグバンドだ。そのバンドの演奏にあわせて唄い手が「地口」、「甚句」を唄い続ける。演奏は盆踊りの終了時間まで何時間も絶えることなく続けられる。このエネルギーは圧倒されるほどに凄いものがある ひこさ頭巾 その覆面姿の下にある素顔 今から700年前の正応年間、源信という修行僧によって始められた西馬音内盆踊りの特長は踊り子たちの衣装にある。浴衣姿の女性たちは「ひこさ頭巾」と呼ばれる覆面をつけ、素顔は見せず、「音頭」と「がんけ」の2種類の踊りを舞う。特に「がんけ」は月光の夜を飛ぶ雁の姿を表す「雁形」に由来し、エネルギー溢れる演奏とは全く対照的に、手の先まで流れるような優雅な舞を踊り、決して見飽きることはない。「ひこさ頭巾」をつけた女性たちの素顔はどのようなものなのか..答えは写真を見れば一目瞭然。少女たちは、このエロティックな歌詞の内容をどこまで理解して踊っているのだろうか [画像を表示] | |
[125] 秋田県 鳥海山 獅子ヶ鼻湿原の鳥海マリモ | 2002.8.27 |
僕にとって鳥海山の魅力はブナ林と、美しい川の存在だ あるテレビの旅番組の中で、立松和平さんは「いい森があれば、いい川が必ず流れているよね」と、あの独特のしゃべり方で述べていたが、鳥海山のブナ林の中を歩いていると、「本当にそうだよなぁぁ..」と、思わず相づちを打ちたくなる風景が続く 特に獅子ヶ鼻湿原のブナは奇形が多く、その異様さはむしろ畏敬の念をいだかせ、心が和んでくる。この奇形のブナ林の中に鳥海山の伏流水がこんこんと湧き出る「出つぼ」がある。湧水の水面に映る奇形のブナを見ていると、あたかも自分が映画「2001年宇宙の旅」のように、時空をさまよっているかの錯覚に陥り、時の感覚を失ってしまう 獅子ヶ鼻湿原のもう1つの特長が「鳥海マリモ」だ 世界的にも稀少なコケ、ヤマトヤハズゴケやヒラウロコゴケ、ハンデルソロイゴケが絡まり、マリモとなった鳥海マリモは阿寒湖のマリモのように丸くはならず、碁石のように平べったく、渓流の底や脇にグリーンの美しい文様を作り出す。この鳥海マリモの生息地は、日本では他に八ヶ岳で見られるだけだという。この貴重な存在の鳥海マリモだが、2001年、渓流の水が一時的に減少したため、干上がり、一部のマリモに被害が発生した。2002年夏現在、現状は維持できているものの、被害のあったマリモの回復の見込みはたっていない。全滅しなかっただけでもラッキーかもしれない [画像を表示] | |
[126] 秋田県 鳥海山 いつまでも見飽きない元滝 | 2002.8.29 |
秋田側鳥海山の滝の中でも、法体の滝、奈曽の白滝、元滝はそれぞれに趣があり、どれも一度は見て欲しい滝だが、その中でも僕は元滝が一番のお気に入りだ 規模的には元滝が一番小さいけれど、苔むした岩肌に流れる滝の水が水蒸気となり、辺りは霧に包まれ、宮崎駿のアニメに登場しそうな幻想的な風景が広がる この滝、どこかで見たような気がする 元滝を撮影していて、初めて出会う滝のようには思えなかった。どうしてだろうか、と、記憶を辿っていくと、八ヶ岳の麓、大泉村の川俣川にある吐竜の滝に、容姿も大きさも似ていることに気づいた。しいて相違を上げるとすると、吐竜の滝のほうが若干明るく陽気なように思う。元滝は北向きだから日当たりは決して良いとはいえないが、おかげで魅惑的な風景に出会える [画像を表示] | |
[127] 秋田県 鳥海山 鳥海山には黒瓦の美しい町がある | 2002.8.31 |
他県から登山目的で鳥海山を訪れる場合、日程的にも海岸まで出向く人は少ないと思われるが、モバキャンするには西目や象潟の道の駅は抜群に便利だ。なにしろレストランや土産物店だけでなく、温泉や大きなスーパーも併設されているので、単に食事をとるだけでなく、一日の疲れも癒せるし、食料の買出しもできる。同様に東由利の道の駅も温泉、レストラン、そしてスーパーマーケットが一体化している。秋田の中でも何故か鳥海山周辺の道の駅は規模も大きく、使い勝手はメチャクチャよい 鳥海山は海岸から一気に2000mを越える山がそびえ立っている訳で、屋久島の宮之浦岳のようなものだ。だから海岸近くでも、旨い水が湧くのだろうか、仁賀保町には創業がなんと室町時代の1487年、全国で3番目に古い蔵元、飛良泉本舗がある。この蔵元から海岸までは徒歩5分もかからないほどの近さだ。日本酒好きの方ならば飛良泉の旨さはご存知だろう。特に夏場の酒「氷結生酒」はその名の通り、生酒を凍らせたもので、瓶の中の凍った酒を専用の棒でつつきながら、みぞれ状にして味わう。この旨さは絶品だ。蔵元だけでなく、道の駅でも入手できるので是非とも味わって欲しい。僕も普段通っている酒屋で飛良泉はよく購入していたが、まさか鳥海山の麓、こんな海岸近くで作られていたとは夢にも思わなかった 西目海岸は「白砂青松百選」に選ばれた美しい砂浜が続き、夏は海水浴場として賑わうが、フィールド観察派としては自生するハマナスの花の群落は見逃せない。なお近くにはハーブ園ハーブワールド秋田もある この西目の海岸近くをふらふらと散歩していると、美しい黒瓦の家並みが多いことに気づいた 瓦屋根の美しい町というと、広島は呉、竹原や愛媛菊間町など瀬戸内海周辺という固定観念があり、秋田で黒瓦の家並に出会うとは、予想だにしていなかった。どうして西目に黒瓦の家が、こんなに多くあるのだろうか。疑問に思い、昼飯を食べた店のご主人に聞いたところ、仁賀保町に金子瓦という秋田唯一の製瓦所があるという。この金子瓦の創立は大正時代、巾山の土を使い焼瓦を作ってきた。ここの瓦は雪国の冬にも強いのが特長だが、残念ながら現在は大手メーカーによる価格破壊の余波を受け、自社での生産は数年前に打ち切ってしまったそうだ サケの遡上する西目川 黒瓦の家並近くに西目川が流れている。この川はサケが遡上する川として知られている。川幅はさほど大きくはなく、こじんまりしているけど美しい川だ。東京に戻り、撮影した写真を整理していて、ハタと気づいた。おばさんが道端の水路で洗濯をしているカットを撮影していたのだ。この場所は海岸からすぐ近く。黒瓦に気を取られていて、うかつにもその時には全く気づかなかったけど、洗濯できるほどにきれいな水が流れているということになる。ということは愛媛は西条の「うちぬき」のように、この鳥海山周辺の海岸沿いや海の中にも実は湧水があるのではないだろうか。そういえば飛良泉酒造もあるし、この地域は岩牡蠣の名産地でもある。旨い岩牡蠣はきれいな海水のあるところで採れる。西条で採れるアナゴは松山のアナゴとは格段に味は違うというし、実際西条で食べたカレイは大分の城下カレイに勝るとも劣らない味でとても旨かった。西目、仁賀保、象潟の海岸沿いの川は再度丹念に調べてみる価値はありそうだ [画像を表示] | |
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