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[158] 山口県 秋吉台 野焼き跡 | 2003.3.28 |
国内最大規模のカルスト台地である秋吉台の草原は、2月の第3日曜日に野焼きが行われる。もっとも実際は天候により3月上旬頃まで延期されることのほうが多い。秋吉台は元々草原だったわけではない。今から650年ほど前までは針葉樹の原始林だったといわれる。草原は人が手を入れないと維持はできない。放置したままだと笹や樹木が繁殖して、すぐに薮化してしまう。また新しい草の芽を育てるためにも枯れた草を始末する必要がある。翌年の草原を作り出すためにも野焼きは必要なのだ。現在も草原の野焼きが行われている場所は、秋吉台の他に久住高原と三瓶山があげられるが、三瓶山の野焼きは復活してからの日はまだ浅い。野焼きすることで植物や昆虫の生態系にも特徴が出てくる。3月に入ると太陽の光を好むノジスミレやアマナが咲き始め、4月も過ぎるとワラビがたくさん生える。6〜7月には、今では絶滅危惧種A類となってしまった、オオウラギンヒョウモン蝶の貴重な姿も見られ、秋にはハギやリンドウ、センプリ、ウメバチソウたちが主役となる 野焼き跡、まだ緑の気配のない秋吉台は、磐梯吾妻の浄土平のように、かなり殺伐としている。夏の緑豊かな表情との落差が面白い。僕等は試験の解答を見るように、夏の美しい草原を当たり前のように受け入れているが、その草原を維持するために、これだけの規模の野焼きを安全に行うには、相当の人手が必要なはずだ。地元の方達の努力に頭が下がる [画像を表示] | |
[159] 山口県 秋吉台 秋芳洞 傘づくし | 2003.3.28 |
鍾乳洞といえば、東京は奥多摩の日原鍾乳洞程度の規模しか体験していなかったので、はじめて秋芳洞(あきよしどう)を訪れた時、正直、洞窟の中の大きさに驚いた。なんだかインディジョーンズみたいな映画のワンシーンに使えるなぁぁ..と 確かに秋芳洞は素晴らしい鍾乳洞だったが、僕の心はもっと別のものに惹かれていた。それは秋芳洞に向かう途中の土産店の通りの入り口付近に面した、猫の額ほどの小さな田んぼだった。季節は8月のお盆近く、稲穂の緑がまぶしいくらいだった。その小さな畦道を歩くと、稲穂の中をマムシがゆるゆると歩んでいる。ほほぉぉ、こりゃ農薬を使っていない田んぼかもしれない。そこで幅30cmに満たないほどの水路を覗き込むと、いたいた、小さな魚達がメダカの学校状態。しかしこの水路は秋芳洞から流れてきた水である。メダカが棲むには、少し冷たすぎるかもしれない。季節からして、おそらくメダカ以外の稚魚だろうと、子ども達と一緒に網で魚をすくい捕り、東京の自宅まで持ち帰ることにした。魚は、車が上に載っても潰れないという、キャンプ用飲料クーラーに入れた。真夏の車の中で水温を上昇させないためだ。さらに帰路の途中、ペットショップでエアーと中和剤を購入し、水替えや空気の補充をマメにおこなったので、自宅に到着した段階でも、かなりの魚たちは生きていた。60リッターの標準水槽に移し、飼育をはじめ、冬になる頃には稚魚もかなり大きくなってきた。どうやらモロコの仲間のようだ。モロコの同定は僕には難しく、タモロコ??、ひょっとしたらカワバタモロコかも..と..毎日魚達を見るのが楽しみだった そんな真夏の思い出の場所に立ってみた。田んぼは、もちろんからっぽ。水路も水は入っていない。祭りの後の寂しさは..思わず拓郎の唄を口ずさんでしまった [画像を表示] | |
[160] 山口県 油谷 油谷の棚田 | 2003.3.29 |
青海島から日置町(へきちょう)の「千畳敷」に向かう。「千畳敷」は標高333mの草原の高台で、360度の展望を楽しめる。青海島の先に萩の笠山も確認できた。南面の山々も、なかなか味わいがある。展望派の方達にお薦めの場所だ。ここから海岸沿いに油谷に入り、津黄の北端「龍宮の潮吹」に向かう。「龍宮の潮吹」とは、玄武岩で出来た磯場の岩穴に日本海の荒波が打ち寄せ、海水を空高く噴水のように吹き上げる現象をいい、国の天然記念物に指定されている。訪れた時は、打ち寄せる波もさほど強くなく、残念ながら豪快な潮吹きではなかったが、それでも10mほどは吹き上がった。しかし「龍宮の潮吹」には摩訶不思議なものがある。それは磯場から丘に向かい幾重にも続く真っ赤な鳥居のトンネルだ。なんでこんな場所に..その異様な景観には不気味ささえ感じる。どうやらこの鳥居のトンネル、津和野の千本鳥居で知られる太鼓谷稲成に関係しているようだが、果たして参拝する人達はいるのだろうか 写真は「龍宮の潮吹」から西に向かう途中で出会った風景だ。油谷は棚田と溜池が多く、棚田から見える海が美しい。この海に夕日が沈むのだそうだが、そこまでは待てないよと思っていたら、棚田が夕日で輝きだした [画像を表示] | |
[161] 広島県 帝釈峡 春間近の雄橋 | 2003.3.31 |
夕暮れ間近の油谷の棚田を後にして、一路下関の河豚料理を目指す。下関といえばフクですよ。とりあえず大手旅情報誌に出ていたJR下関駅近くの専門店に辿り着いたのだが、やっぱりの大ハズレ。これじゃ、スーパーのフグのほうがマシだよ。ありゃタイアップの店だったな..ということで、今度は自力で探すことに。既に時間も遅くなっているので料理屋の多くは閉まりかけている。勘で入った店で、店主は、閉店30分前でオーダーストップしてしまったが、量は少なくてよければ、なんとかフグ刺を用意できるという。もちろんOKだ。何の予備知識もなく、旨い料理に当る確率は3割にも満たないが、この店は天然のトラフグで当りだった。もっとも価格もそれなりだったけど、とりあえず下関のフクを満足することは出来た。その夜は下関フェリー乗り場でモバキャン、翌日は尾道の千光寺公園駐車場でモバキャンし、翌朝、尾道を散策してから因島を巡り、福山へと向かう。途中、鞆の浦で名物の鯛ちくわを土産として購入。ここの鯛ちくわは旨い。夜は福山駅から近くの超レトロな銭湯で風呂を浴びた後、瀬戸内の地魚を満喫すべく、魚料理屋をハシゴして福山城の有料駐車場で就寝 いよいよ今回の旅も今日が最後。福山に別れを告げ、帝釈峡(たいしゃくきょう)に向かう。3月の終わりとはいえ、帝釈峡はまだ少し寒い。オフシーズンのためか、上帝釈の駐車場に観光バスの姿はない。土産店も閉ったままだ。目的の雄橋(おんばし)まで帝釈川沿いを歩く。冬芽の木々を眺めながら白雲洞を過ぎ、まもなく雄橋に辿り着いた。石灰岩台地の帝釈峡の中で、雄橋は最大の見所だろう。雄橋は帝釈川が石灰岩を侵食して作られた天然橋で、世界三大天然橋の1つでもある。僕は帝釈川の浅瀬近くに三脚を立て、川の流れを連写した。ポジによる動画を作るためだ。この手法による動画は、以前制作したCD-ROM作品の中で編みだしたものだが、当時、まだ誰もチャレンジしていなかった。ゲームや3DによるSFモノが中心のCD-ROMコンテンツの中で、実写動画を使用した、自然を対象とするエンターテイメント・コンテンツは新鮮だったのか、おかげでヒット作品となった。まぁぁ、今ではデジカメでお手軽に動画を作成できるので、ポジで撮影する必要性はなくなってしまったのだが.. [画像を表示] | |
[162] 岐阜県 羽島 木曽川に咲くカラシナ | 2003.4.3 |
岐阜県羽島市から海津町にかけては木曽三川こと、木曽川、長良川、揖斐川が並行して流れ、3月下旬から4月上旬、羽島市小薮、馬飼大橋から海津町東海大橋付近までの土手沿いでは、セイヨウカラシナの見事なお花畑を見ることが出来る。提では家族連れが楽しそうに土筆を摘んでいる。木曽川の上流に目を向けると、そこには、まだ雪を頂いた恵那山の姿があった [画像を表示] | |
[163] 奈良県 下北山 下北山の山桜 | 2003.4.5 |
吉野の桜は下千本が4月7日頃から始まり、中千本、上千本、そして奥千本へと吉野山を10日間ほどで桜色に染め上げる。子ども達の春休みを利用して、吉野の花見をしようと思い、はるばるやってきたものの、残念ながら少し早すぎたようだ。和歌山に入れば桜に出会えるだろうと、とりあえず那智勝浦の熊野那智大社を目指し、国道169号は北山川に沿って、吉野を南下することに。吉野郡下北山村の池原貯水池まで来ると、ダム湖周辺には既に桜が咲いていた。池原貯水池は、ブラックバスのメッカとして関西の釣り人達に人気のスポット。エメラルド色の湖面が美しい 写真はダム湖とは反対側の、杉山の中に咲くヤマザクラだ。吉野は桜だけでなく、日本三大美林として知られる吉野杉の産地でもある。吉野杉の産地としては、川上村が著名だが、下北山村で見かける杉も実に美しく、豊臣秀吉が建てた伏見城にも使われている。ダム湖周辺を散策してみると、ミツバツツジ、フキノトウ、ナガバタチツボスミレ、カントウミヤマカタバミの清楚な姿を楽しむことが出来た [画像を表示] | |
[164] 和歌山県 那智勝浦 那智大滝 | 2003.4.7 |
最初に那智滝を訪れたのは、高校の修学旅行だった。碁の黒石である那智黒が印象深かったが、那智黒石は、実は那智勝浦の産ではなく、三重県熊野市神川町神上(かみかわちょう こうのうえ)が名産地であることを知ったのは、ずっと後のことだった。那智の滝は落差133m。栃木日光華厳の滝、茨城袋田の滝とならぶ日本三大瀑布の1つ。いずれの滝も訪れているが、これらが何故に三大瀑布なのか、その理由が浮かばない。落差が基準であれば、立山の称名滝は350mで日本一だし、三大瀑布よりも落差のある滝は他にも存在する。いったい誰がどのような基準で決めたのだろうか 熊野那智大社に向かう葛折りの道すがらでは桜が満開だった。桜の向こう、山の中腹に那智大滝が見える。ここからは見えないが、「一の滝」である大滝の周辺、那智山原始林には「二の滝」「三の滝」をはじめとして沢山の滝があり、那智四十八滝と呼ばれる所以である。懐かしい土産店の立ち並ぶ473の石段を上り、熊野那智大社にて参拝した後、大滝に出る。熊野本宮に充満している「気」が、なぜか熊野那智大社では全く感じられない。熊野本宮内での撮影は一切禁止だが、熊野那智大社境内ではそのような制限はない。さすがに人々の雑念が多すぎて、神の声も届きづらいようだ。滝の上方、落ち口にあたる銚子口には、注連縄が張られている。この注連縄は毎年7月9日と12月27日の年2回、命がけでの張り替えがおこなわれる。写真に微かではあるが、写っているのが分かるだろうか [画像を表示] | |
[165] 和歌山県 串本 橋杭岩 | 2003.4.10 |
夕暮れ間近の橋杭岩に辿り着いた。国の天然記念物であり、南紀の観光名所でもある橋杭岩は、ウィークデーにもかかわらず賑やかだった。橋杭岩まで歩いていけるほどに潮は引き、潮溜まりを照らす光りが美しい 僕の撮影スタイルはスナップ写真だ。いわゆる風景写真を追いかけているつもりは全くないし、ドキュメンタリーでもない。インプロビゼーション、つまり僕と対象とのセッションだ。どんな出会いでも音楽は必ず聞こえてくるものだ。朝焼けを待つとか、意図した光を待つということも一切しない。目の前にある「そのもの」を相手にセッションするのが楽しいのだ。頭の中でデザインしたドラマチックな写真は、どちらかというと好きでない。人生は苦労の連続だという、苦しみに満ちた顔を撮影しようとすることは簡単だ。人は、楽しい笑顔も、辛いしぐさも、どちらも必ず持ち合わせている。撮影者が意図的に辛い表情だけを抜き取り、撮影することはテクニック的には簡単なことだ。彼等がその表情を浮かべるまで待てばよい。風景写真も同様だ。10年に1度しか見せない富士山の顔は貴重かもしれないが、そういう特別な顔ばかりにしか興味の湧かないカメラマンは不幸ではないかと思う。僕は平平凡凡が好きだ。平平凡凡の日常の中にも素晴らしい発見はあるし、気持ちの良い音楽を伴に奏でることもできる。戦地に赴かなければ「命」を撮影できないわけではない。生も死も生物にとっては日常だ。しかし今日出会った生物や風景は一期一会。互の出会いを自分の中でどのように「関係」したのか、それをメモするのが僕の写真なのだと思う [画像を表示] | |
[166] 和歌山県 串本 漁火 | 2003.4.12 |
串本の旅館で温泉につかり、夕食を食べに海岸方面へと繰り出した。串本の繁華街は国道42号線沿いから串本駅周辺にかけてだが、やっぱり海に近いところで食事をしたかったのだ。あてもなくノンビリと散歩をしていると、小さな割烹居酒屋が目に入り、勘が働き暖簾をくぐってみた。店内はカウンターだけ。元気の良い親父さんが一人で仕切っている。客は地元の常連さんだけで観光客はいない。今日のお薦めを聞くと「もちがつお」だという。出てきたモチガツオの刺身は臭みなど一切無く、本マグロのトロよりもずっと旨く、奥深い味わいがあった。そもそもモチガツオは魚種ではなく、捕れたカツオの締めかたの手法で、まだ細胞が生きている状態のカツオを調理する。つまり釣り上げてから数時間以内に食べるものであり、4月〜5月にかけての、串本など漁港近くの店でないと味わうことが出来ない。鰹料理の本場、土佐でも今日食べたようなカツオに出会うことはなかった。串本の隣のすさみ町では「ケンケン漁」という疑似餌を使ったトローリングでカツオを捕る漁法が盛んで、捕れたカツオを「すさみケンケンかつお」と呼び、すさみ町ではブランド化を目指しているが、ケンケン鰹とモチガツオは同じではない 至福の夕食を終え、今日のモバキャン場所である本州最南端の岬である、潮岬は潮岬タワーの駐車場に向かう。潮岬タワーには「望楼の芝」という広大な芝生が海岸の崖っ縁まで続き、ここではキャンプもできる。周辺では1月にはスイセンが、2月〜3月中旬にはナノハナが一面に咲きほこる。写真は潮岬タワーに辿り着く手前の海岸線から見た光景だ。串本の漁火といえば7月のトビウオ漁が有名だが、4月上旬である今の漁といえば、おそらく巻き網でのサバ漁ではないだろうか。しかし串本での巻き網漁は現在激減している。串本の風物詩でもある漁火も、見られるチャンスは少なくなってきているのが現状だ [画像を表示] | |
[167] 和歌山県 串本 夕暮の潮岬 | 2003.4.14 |
潮岬灯台に辿り着く寸前、太平洋が突然金色に輝きだした 黒潮の紋様が巨木の木肌のようにも見える 海の彼方に日が沈むと、二筋の飛行機雲が橙紫色の空にVサインを描いた キャンピングカーの旅 僕のように目的地を決めず、気ままに旅をするものにとって、今日の寝場所の確保は重要な問題だ。そもそも誰にも気を使わずに旅をすることが目的だから、予めスケジュールを決められることは最も辛い。だから旅館や民宿を使用することは滅多にないし、最近のキャンプ場は要予約の場所が多く、自由さに欠ける..つ〜か..はっきりいってカッタるい。かといってキャンプ場以外の場所でテントを張るのも安全性に不安が残る..ということで、車で寝ることが一番気楽だなぁぁ。僕の場合、小さな公園の駐車場や観光客のいなくなった、観光地の駐車場で寝ることが多い。道の駅は真夜中でもトラックの出入りが多いことと、最近は深夜でも、まるでナイター野球の照明のように、明る過ぎる所もあり、案外落ち着いて寝ることはできない。観光地の駐車場は結構穴場的存在。例えばゴールデンウィークの伊豆でさえ、夕方5時を過ぎると土産店も閉り、閑散とする。おかげで翌朝6時頃までは安眠できるのだ。大阪や東京など都心で寝る場合は、高速道路のパーキングエリアを利用する。駐車場代だと思えば高速料金も安いものだ。静岡駅前など中途半端(失礼)な規模の町でゆっくりと食事をとりたい場合は、深夜でもトイレの使える有料駐車場に車を入れてしまう。管理人の方には朝まで使用する旨を伝え、事前に駐車料金を支払っておく。いつでも出発できるからだ。心がけていることは、天候の急変による増水などの影響からの回避だ。川原で寝ることはまずやらない。また山中の空き地もあまり利用しない。こちらの理由はアレが出る可能性が結構あるからだ。金縛りにあうのは気持ちのよいものではない。僕の場合、出そうな気配を感じ取ってしまう体質。実際何回も出くわしているので、危なそうな場所には近づかないようにしている。中には観光地の駐車場でもヤバイ個所もあるが、それでも気ままな車寝旅はやはり楽しく、やめられそうもない [画像を表示] | |
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