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[168] 和歌山県 太地 花のご馳走 | 2003.4.17 |
太地(たいじ)町は捕鯨の町としての歴史を持ち、現在も期間限定ではあるが、追い込み漁でゴンドウクジラやイルカを捕獲している 太地湾の漁港は小さいながらもコバルトブルーの美しい水面が印象的だ 鯨のアーチをくぐり、漁港から丘の上に出てみることにした。特に目的があるわけでもなく、ただ道草してみたくなったのだ。上りつくと、新興住宅街の風景が広がっていた。道の分岐を適当に走っていると、こんもりと木々の茂った中にすごい豪邸が左側に現れた。なんでこんなところに..と..よくよく見ると、「落合博満野球記念館」と書いてある。あぁぁ、ここが噂の場所だったのか。入場料はなんと大人2000円。だいたい交通の便が決していいとはいえない太地ですよ。太地の方達には申し訳ないが、観光名所といえば、「くじら浜公園」くらいなものだ。もう自分への熱烈なファン以外は来るなよ、という力のこもったメッセージが直球で飛んでくる。さすが、孤高の人、落合。ここまでやってくれると、その妥協しない生き方に脱帽する。「落合博満野球記念館」を後にして、燈明崎に向かう。燈明崎は鯨油を使った燈明灯台のあった場所だ。周辺ではスダジイに混じり、自生のヤブツバキがあり、太平洋の黒潮を眺められる 燈明崎に向かう途中に洒落た建物があった。太地中学校と書いてある。外観からは、とても学校とは思えない、かなりセンスの良いデザインに正直驚いた。特に校門からのアプローチが美しい。写真はその太地中学校の近くで見かけた普通の民家だ。花を愛する主人の気持ちが見てとれる 昨今のガーデニングブームを見ていると、辛くなるものがある。花を単なる絵の具のようにモノとして捉えている人達があまりに多いように感じる。「デザイン的にキレイでありさえすればよい」という彼等のメッセージが聞こえてくる。だから花は単なるパーツにすぎない。先日、衛星放送はガーデニングの番組で見たシーン。花を植えるのに、土に殺虫剤を混ぜている。つまりだ、この女性は虫が嫌いなわけ。だから虫が寄り付かないようにしていると言っていた。おいおい花は虫を求めているのだよ。自然を愛するのではなく、自分に都合の良い「きれいさ」だけを求める様は、自分に似合うかも確認せずにブランド品に群がる姿にも共通している。彼等は野に咲く花達には目もくれず、いわゆる見た目のハデなワイルドフラワーを追い求めるのだろう [画像を表示] | |
[169] 和歌山県 那智勝浦 フカヒレのカーテン | 2003.4.19 |
潮岬から伊勢に向かう途中、那智勝浦の町中を散策した。那智勝浦は紀の松島とも呼ばれる景勝地であり、温泉の町として沢山の観光客で賑わうが、もう1つの顔は水産の町でもある。特にマグロ漁が盛んで、近海物の生マグロ料理が名物となっている。実はここまでは予備知識として持っていた。ところが北浜地区を歩いていると、フカヒレを干している水産加工所を2軒見つけてしまった。フカヒレといえば気仙沼がつとに有名だが、那智勝浦でも扱っていたのかと、正直驚いた。しかし理由はすぐに理解できた。フカヒレは主にヨシキリザメを使うが、このサメはマグロの延縄漁でかかってくるのだ。物干し竿に洗濯バサミで吊り下げられたフカヒレ達の光景を眺めるていると、イカの天日干しとも違い、やはり凄みのある迫力を感じる。天日干しは吊るしだけでなく、平面に置いた網棚の上にもズラリと並べられ、実に壮観だ。地元の人に聞くと、フカヒレの天日干しは那智勝浦の冬の風物詩なのだそうだ。毎年11月上旬から始まり、4月下旬まで続けられ、1つのフカヒレを作るには約1ヶ月ほどの天日干しが必要とのこと。この手間のおかげで、美味いフカヒレ料理が誕生するわけだ [画像を表示] | |
[170] 三重県 七里御浜 アカウミガメの来る海 | 2003.4.22 |
那智勝浦から新宮に入る。新宮には国の天然記念物に指定されている、新宮藺沢浮島植物群落こと「浮島の森」がある。はるか昔海であった場所に、植物の死骸が堆積し、泥炭の池の上に浮き島が出来たものだ。ここに繁殖する植物達は熱帯系、亜寒帯系、寒暖両地域に分布する植物約125種が混生する珍しい植生が特長でもある。浮島を見学した後、昼食を食べに散策に出る。すぐ近くに小さなおでん屋を見つけ入ってみた。カウンター席と小さなテーブル、東京の下町にある子どもを相手にしたもんじゃ焼きの店のような、庶民的な雰囲気の店をイメージしてほしい。価格も安い。おでんとラーメンを頼んだのだが、どちらも予想以上に旨い。特にさっぱりとした醤油ラーメンの味は、旅の思い出に残るものだった。ところでおでんとラーメンの組み合わせは奇抜なように思うかもしれないが、甲府で出会った店もおでん屋だったが、そこの名物は、なんとラーメン。今まで食べた甲府のラーメンの中でも、かなり旨かったのも事実だ 熊野川を渡ると、いよいよ三重県だ。鵜殿の海岸から熊野市までを七里御浜(しちりみはま)と呼び、碁石のように丸い小石の砂利の浜が延々と帯状に続く。七里御浜の海は黒潮のうねりも強く、遊泳は禁止だが、この海岸にアカウミガメが毎年5月から7月にかけて産卵のため訪れる。はっきり黒潮と分かる2色の海の帯、爽やかな海岸の白い砂利、そして春のおだやかな空のコントラストが美しかった [画像を表示] | |
[171] 三重県 尾鷲 シダの芽だし | 2003.4.23 |
なるべく海岸線を走ってみようと七里御浜から尾鷲に向かう。七里御浜の終点、熊野市までは難なく到達したが、この先、尾鷲市内までが予想よりも、かなりシンドイ旅となった。リアス式海岸沿いの細い山道は急カーブの連続で景色を楽しむどころではない。いい加減ウンザリしたところで九鬼湾が右手方向に見えた。一旦車を停め、おだやかな漁港の風景を楽しみながら休憩。通過する車も殆どなく、原生林が醸しだす静寂の時間を満喫する 写真は九鬼湾を見下ろす峠の少し先で出会ったシダの群落だ。ウラジロシダだろうか。芽だしを始めたシダの新緑に柔らかな太陽の光があたり、まるでソフトフォーカスの写真を見るような不思議な風景を作り出していた [画像を表示] | |
[172] 三重県 英虞湾 海苔畑 | 2003.4.26 |
尾鷲で夕食をとり、そのまま英虞湾を目指す。リアス式海岸の走りの辛さを味わったばかりなのに、再度真夜中のリアス式海岸を走った。紀勢町に入ると道は山の中に向かう。真っ暗闇の細い山道はヘッドライトが照らす視界だけが頼り。ライトに驚いたのか、前方左斜面からキジが飛び立った。しばらく走ると今度はタヌキが横切る。出会う車は1台もない。このような閑散とした山間のドライブに、突然視界に飛び込む「原発反対」の看板、看板、看板。なんでこんなところに原発??と思ったら、ここは芦浜原発計画の近くだったのだ。夜も明けた頃、やっと南勢町にたどり着き、海が見えた。静かな海だ。英虞湾まではもうすぐと、自分に言い聞かせ先を急ぐ 写真は浜島町で出会った光景だ。浜島は真珠、牡蠣、そして海苔の養殖の町。プールのように静かな海面に竹杭がキュウリやトマト栽培の支柱のように突き出している。海苔の畑だ。1960年代までは東京湾でも、この竹杭の風景は普通に見られ、船橋ヘルスセンター、谷津遊園など、船橋から幕張にかけては海水浴場、潮干狩りのできる東京の娯楽地だったのだ。今でも船橋ヘルスセンターの賑わいと、海岸の潮の香りを記憶している。あれから僅か40年で東京湾の様相は一変した。未来の都市空間として登場した、幕張の埋立地に立つ高層ビルからは元気の風を感じられない。東京再開発の余波をまともに受け、企業の流失が加速しているからだ。いわんや開発途中の埋め立て地は、彼等自身の未来を描ききれずにいる。品川と幕張、この僅かな距離でさえこの有り様だ。アクアラインが不採算なのは当然だろう。海の資源は無限ではない。ここ数年、倒産情報をワッチしていても、土木関連に続いて、漁業、水産業の倒産が極めて目立つ。地球規模での海洋資源の枯渇が確実に始まっている。頼みの綱の養殖も餌となるイワシ達の不漁が深刻な問題になるだろう。いや、それだからか、効率的な生産のために某県で発覚したホルマリンの投与など、非合法、合法を含めて、薬剤の投与が減ることはない。抗生物質など、薬による海洋汚染は、農薬や化学肥料と同様に貴重な畑を、自分達の手で確実に死へと導いている。一度失った信用と自然を取り戻すには気の遠くなるほどの時間がかかる。アコヤ貝の嘆願が聞こえてくるようだ [画像を表示] | |
[173] 三重県 英虞湾 横山展望台 | 2003.4.29 |
英虞湾に浮かぶ島々を一望したい..その思いを叶えるのにピッタリの場所が横山展望台だ。近鉄横山駅の西側にあたる横山展望台は、第一展望台〜第三展望台まであり、遊歩道をのんびりと散策できる。国道167号線から案内板を頼りに山道に入り、新緑で彩られた木々と、その間から見える英虞湾を眺めながら駐車場に辿り着く なるほど、やはり松島は美しいなぁぁ..と..感じたのは奥松島、大高森の展望台から見た、夕日が沈む風景だった。波静かなリアス式海岸に浮かぶ島々の美しさを味わうには、小高い山に限ると、この時教えられた。だから英虞湾に浮かぶ島々を見るポイントを予め調べておいた。1つは、ここ横山。そしてもう1箇所は大王町の登茂山、桐垣展望台だ。夕日の英虞湾を見るのならば登茂山、桐垣展望台をお薦めする 写真は標高約120mほどの横山第一展望台から見た英虞湾だ。春霞に浮かぶ島々は墨絵を見るようだ。英虞湾がまさに真珠の海であることが手に取るように分かる。賢島の俗化した観光地のつまらなさと比較して、桜と新緑を愛でながらの花見酒を楽しめる、ここ横山は別天地だ [画像を表示] | |
[174] 長野県 白馬 平川を泳ぐ鯉のぼり | 2003.5.2 |
五竜とおみスキー場の北の裾野にあたる、白馬別荘地とみそら野別荘地の間を平川は流れる。5月の節句、その雪解けの平川に鯉のぼりが泳ぐ。後方の山は八方山。この時期の白馬はカタクリやミズバショウ、エンレイソウ、ニリンソウが美しい みそら野別荘地の土産物通りで「おやき」を食べた。僕は野沢菜のおやきが好物。発祥地の小川村だけでなく、松本から白馬にかけて「おやき」は売られているが、僕のお気に入りは大町、塩の博物館のはす向いにある店だ。ここのおやきは皮がもちもち、野沢菜も油っこくなく、大きさも手頃で良い。アツアツを頬張ると、体中に元気が行き渡るようだ [画像を表示] | |
[175] 群馬県 沼田 りんごの花道 | 2003.5.5 |
沼田は木工の町だ。学生時代の友人が沼田出身ということもあり、彼の実家には何度もお邪魔した。親父さんの仕事は木材加工だったが、友人は家業を引き継ぎ、デザイン家具も手がけるようになった。木工所に入ると、鋸で切った木屑の香りが漂い、その香りがとても気持ち良い。親父さんには木の性質や加工のノウハウをいろいろと教えていただき感謝している 沼田の友人宅を訪れると、彼が毎度連れて行ってくれた所が、沼田の駅前にある小さな蕎麦屋だ。外観は超レトロで、店内も蕎麦屋というよりは立ち食い蕎麦のような雰囲気だ。お世辞にもきれいとは言いがたいし、メニューを見ても立ち食い蕎麦なみの安さ。お客さんも棚にある、いなり寿司を勝手に取りだして食べている。地元の人たちの休憩所のようだ。駅前であるから、この蕎麦屋以外は土産店が立ち並び、観光客も多い。その中でこの店だけは時間を超越して存在している。もちろん観光客は一人もいない。見渡すと、かけ蕎麦を注文している人も多く、僕等もかけ蕎麦を頼んだ。調理しているのは、かなりご高齢のお婆ちゃん。所詮立ち食い蕎麦レベルだろうと、たかをくくって、出てきた蕎麦をほおばったら..目が点..こりゃほんまものの手打蕎麦だ。ニ八かな。お婆ちゃんに「おいしいですねぇぇ」と挨拶すると、「創業100年近いからねぇぇ、代々受け継いできた味を落とすことはできないよ」とサラリと返事がかえってきた。今まで食べたかけ蕎麦の中で、この店を越えるものにはいまだ出会っていない 写真は関越道沼田インターから日光に抜ける道沿い近くのりんご畑だ。川場方面に抜ける道と金精峠に向かう道の間はりんご畑が多い。ゴールデンウィークあたりが花の見頃だ。ピンクの花が愛らしい [画像を表示] | |
[176] 群馬県 川場 新緑の赤倉渓谷 | 2003.5.8 |
武尊周辺を散策した後、沼田へのコースをどれにするか迷った結果、花咲から武尊山の麓を経て川場に向かうことにした。トンネルを抜けると上州の山々が出迎えてくれる。気持ちのよい展望風景だ。途中の分岐を北側に入り、川場谷野営場を訪ねてみた。ここは前武尊山への登山コースのスタート地点、登山客の車が数台停まっている。武尊牧場キャンプ場と比べ、圧倒的に人も少なく、地面もフラットで眺めもよい。トイレもありモバキャンの場所としてはお薦めの場所だ。薄根川の渓流沿いに咲く山桜を愛でながら武尊温泉に到着。ひなびた旅館が3軒、風情ある小さな温泉場だ。このまま一気に沼田を目指すぞと走り始めたら、左手に赤倉渓谷の小さな案内板が目にとまり車を停める。時間も夕方近く、立ち寄るか、直帰するか、ええいままよと立ち寄ってみることに。やがて木々の向こうに赤倉川が見えはじめる。しかし落ち着いて川を眺めるポイントは少なく、新緑がきれいだなぁぁと思いながらも狭い林道をどんどんと進む。この赤倉林道は花咲まで続いている。走りながら期待よりもずっと赤倉渓谷は美しいことに気づいた。武尊渓谷とも全く違う。武尊渓谷は川幅も狭く流れもかなり早い箱庭的な美しさだ。比較して赤倉渓谷は岩床が平たく滑らかで、その上をすべるように流れる清流が美しい。う〜ん照葉峡よりもずっとエレガントな川の流れだ。こりゃ絶対にイワナがいるな。しばらく走ると分岐点に出た。この先は峠越えとなりそう。さ〜て沼田に向かうとするか [画像を表示] | |
[177] 群馬県 片品村 大清水 大清水の水芭蕉 | 2003.5.11 |
尾瀬の水芭蕉が咲く1月ほど前、尾瀬の玄関である大清水のミズバショウが見頃になる。駐車場の西側に面してミズバショウは咲いているのだが、同じく片品のミズバショウの森やその近くで自生するミズバショウを見てしまうと、大清水のミズバショウはいかにも管理されている観光地の花に見えてしまう。もちろん栽培している花ではないのだが、風情がいまいちに感じてしまうのだ。やはり駐車場が見えてしまうことと、大きな空が見えない、そして人が多すぎるのが要因なのだろう。野草観察が好きな方は大清水と戸倉の間の森の中を散策することをお薦めする。道路からほんの少し入るだけで可憐な花達が出迎えてくれる [画像を表示] | |
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