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[178] 群馬県 片品村 武尊 春の武尊渓谷 2003.5.14
武尊渓谷は武尊牧場との分岐を東俣沢方面に右折した先の塗川だ。渓谷沿いに遊歩道が完備され気持ちのよい散策を楽しめる。新緑と紅葉の季節がお薦め。奥入瀬渓谷をもう少し小型にしたような箱庭的な風景美を味わえる。散策路の始点、終点にあたる下流、上流、どちらにも無料駐車場はある。上流の入り口(下流から行くと出口にあたる)はダムになっている。僕は下流から歩き、ダムに至るコースのほうが好きだ。何故ならば武尊渓谷は川幅も狭く流れも速い。それゆえ下流から上流に向かうほうが川の流れは美しく見えるのだ。散策路の途中にある休憩所でお弁当を食べ、渓谷の緑を眺めつつ、ぼぉぉっとする。極楽である
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[179] 群馬県 片品村 越本 元気なミズバショウの森 2003.5.17
広い広い片品村だが一番の商店街は鎌田だろう。尾瀬と金精峠との分岐点にあたる鎌田はモバキャン場所の1つでもある。寄居山温泉センターは片品村営の温泉で年中無休なのがよい。駐車場も広く公衆トイレもある。また国道から温泉に入る道の周辺には食堂や小さいながらもスーパーもあり重宝している。ここから尾瀬までは食事処も少なくなるので、風呂と夕食をとりに鎌田を利用することが多い。それじゃ昼飯はというと、僕は越本の「ミズバショウの森」入り口を少し過ぎた所にポツンとある1件の大衆食堂を利用している。この店、丼物からラーメンまでメニューも豊富で助かる。店内はテーブル席と座敷があり、座敷は地元のおばちゃん達の茶のみ場所と化している。おばちゃんたちの世間話を聞きながら、一人テーブル席で黙々とカツカレーを食べる。食事は旅の楽しみでもある。美食との巡り合いも嬉しいが、それよりも地元の人達の暮らしぶりを風を受けるように感じ取れることのほうがありがたい。実は初めて片品を訪れた時に、たまたま昼食をとったのがこの食堂で、右も左も分からない僕に、「ミズバショウの森」の存在を教えてくれたのは、この店のおばちゃんだった。その時はミズバショウの花の季節ではなく、入り口を確認するだけにとどめた。初めて片品に訪れたと述べたが、正確には高校時代、一度スキーをしに戸倉に来ている。しかしツアーバスでの参加だった。だから片品の野草を見るために来たという点では、この時が初めてだったのだ。以後、片品を訪れるときには、なるべく立ち寄るようにしている。

写真は5月中旬の「ミズバショウの森」だ。花の時期はとうに過ぎているが、葉が逞しく伸びているミズバショウを見るのも僕は大好きだ。パワーが一面にみなぎっているのが良い。元気をありがたく頂きながら、誰もいない木道をのんびりと散策、林の中を覗くとエンレイソウ達が出迎えてくれた
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[180] 群馬県 片品村 丸沼 新緑間近の丸沼 2003.5.20
日光と片品を結ぶ金精峠は4月下旬に開通するが、ゴールデンウィークの丸沼はまだスキー客で賑わっている。5月中旬、大清水のミズバショウが終わりを告げる頃、白根山の麓に位置する丸沼はやっと雪も融け春が始まる。春の丸沼の風物詩といえば4月下旬から解禁となるルアーフィッシングだ。イワナ、ニジマス、ブラウントラウト、サクラマスの大物を狙い、釣り人達が湖面にボートを浮かべ白樺林を背に竿を振る。しかし最近気になることがある。関東の管理釣り場でオショロコマが放流されているのだ。丸沼も例外ではない。イワナとの交配の心配はないのだろうか。メダカでさえ地域固有の特徴を持ち、迂闊な放流は慎んでいる。漁協も釣り場経営者も儲かれば何でも有りという発想は改めるべきだろう
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[181] 群馬県 片品村 丸沼 初夏の案内人 サンカヨウ 2003.5.23
丸沼の北側の湖畔に丸沼温泉や土産店、駐車場、公衆トイレがあり、釣り人達もここを拠点に活動する。国道120号線から湖畔沿いに丸沼温泉に向かう道すがらに沢がある。春の山野草を見るには沢から始めろ。この言葉は僕がモットウとしていることだ。1つには川が好きということもあるが、やはり湿地に咲く花が多いからだ。車を停め沢沿いに森の中を散策すると、小さなニリンソウの群落に出会えた。その中に1本だけ目立つ白い花があった。近づいてみるとサンカヨウだった。夏大好きの僕はサンカヨウを見ると元気がでる。春を代表する花、ニリンソウの初々しさと比較して、夏の涼風を感じるからだ

ところで道なき森の中を散策するのに必携の道具がハンディGPSだ。花見に夢中でいつのまにか出発点を見失うことがある。そのような場合でもハンディGPSがあれば、自分の歩いた行程が記録されているので、それを元にトレースすれば安全に戻れる。沢などGPSの電波が届きにくい所でも、空の見えやすい場所に移動すれば位置情報は得られるものだ。現在の位置を確認できたならば、出発点の方角と直線距離は分かるので、例え雨や霧の中でも見当違いの方向へ向かう危険からは解放される。この安心感は何物にも替えがたい。最近、山菜やきのこ狩り、登山で道に迷い、遭難する人達が増加しているが、ハンディGPSさえあれば助かるケースが大半だと思われる。お薦めのアメリカGARMIN社の製品は価格も2万円切っているものからあり、得られるメリットから比較しても安い道具だ。自分の命は自分で守る。このあたりまえのことが出来ないのも人間。まだ持っていない人は、一度騙されたと思って使ってみることをお薦めする。自分の行動を記録することが、いかに登山やフィールド観察の楽しみを広げることにも繋がるかを実感するだろう
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[182] 群馬県 利根村 片品渓谷 吹割の滝 2003.5.26
片品川の観光のハイライトはなんといっても吹割の滝(ふきわれのたき)だろう。東洋のナイアガラと呼ぶには大袈裟すぎるが、片品川の激流を眺められるスポットであることは間違いない。渓谷沿いには遊歩道が有り、滝壷間近まで歩いていけるのだが、この遊歩道や岸から川や滝に落ちて亡くなる人も多く注意が必要だ。それ故、川岸の岩場には立ち入り禁止のラインが引かれている。しかしこのラインの内側からだと滝壷の全容は実は見えない。雑誌などで見かける吹割の滝の写真の中には滝壷の全容を写している作品もあるが、立ち入り禁止ラインを無視し、崖っぷちギリギリの所で撮影したものに違いない。撮影をしていると、もう少し近寄りたいという衝動に駆られることは誰にもある。しかし立ち入り禁止というルールがある場合には、ぐっと我慢して制限の中でベストをつくしてこそ撮影する楽しさは増すのではなかろうか。もっともこのルールの中で片品渓谷の見所を説明しようと思うと、吹割の滝を含む片品渓谷千畳敷を俯瞰するカット、吹割の滝の上流にかかる吊橋、吊橋より上流のおだやかな渓谷の流れ、遊歩道から見る滝壷、滝壷から流れ出る片品川の激流と溶結凝灰岩が作り出す景観美、最低でもこの5カットは欲しいところだ..なんてことを考えながら片品渓谷を散策。気がつくと10本を越えるフィルムを使ってしまった
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[183] 長野県 白馬 姫川源流 親海湿原のミツガシワ 2003.5.29
姫川源流のすぐ南、殆ど面しているといってよいだろう、その場所に親海湿原はある。姫川源流にカタクリやニリンソウが咲き始める5月上旬、親海湿原にも花の季節が訪れる。湿原に最初に登場するのはミツガシワだ。貞麟寺のカタクリが終わりを告げる5月10日頃から5月下旬まで、湿原一面にミツガシワは咲き誇る。もっとも姫川源流の植生は雪解けの状況により、年により2週間程度、開花時期がずれることはよくあることなので、見頃の予想は案外難しい。まめに開花情報を収集されることをお薦めする

写真は5月も終わりに近づいた夕暮れ間近の親海湿原だ

ミツガシワというと沼に咲くミツガシワを見慣れていたせいか、親海湿原のミツガシワを初めて見たとき、それがミツガシワとは思えず、他の花ではないかと見間違えるほどに美しかった。誰もいない木道にしばし座り込み、湿原を流れる静寂な時間を堪能した
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[184] 青森県 弘前 津軽三味線のライブハウス 2003.6.2
津軽といえば、もちろん津軽三味線。一度生で演奏を聞いてみたかった。調べてみると弘前に津軽三味線のライブハウスがあるらしい。せっかくだから、ねぷた祭りも見てみたい。ねぷた祭りはねぶたと違い、穏やかな祭りだが、じんわりと体が熱くなってくる太鼓のビートがたまらなく心地よい。ねぷたの興奮も覚めやらぬうちに、弘前駅そばにある「ライブハウス山唄」に出かけた。ここは居酒屋だが、単なる居酒屋ではない。津軽三味線のライブハウスなのだ。1階は枡席、僕は2階席からステージを楽しんだ。店に入る前、客は年齢層の高い方が主流かなと予想していたら見事にはずれた。10代、20代の若者達が熱狂的に、三味の打ち出すリズムに酔いしれている。この三味を仕切っているのが経営者の山田千里氏だ。彼は津軽三味線の師匠でもあり、彼自身ステージで演奏を披露する。そして彼の周りで演奏しているお弟子さんたちは、また山唄の従業員でもある。席にお酒を運んでくれていた人が、いつのまにかステージで演奏しているのだ。それにしても連弾のパワーは本当に熱い。ロックコンサートなどくそくらえだ。弘前まで来てよかった。これぞ日本人の誇れるロック魂だと痛感した
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[185] 青森県 八甲田 酸ヶ湯の蕎麦 2003.6.5
八甲田山の麓にある酸ヶ湯は超有名な温泉旅館だが、観光名所にありがちな横柄な態度やサービスの欠如といった不満が全くないのが、この酸ヶ湯温泉だ。電話で問い合わせをしてもフロントの方の対応は、まるで帝国ホテルやオークラに問い合わせをしているかのごとく、親切丁寧である。慇懃無礼なところもまるでない。実際訪れてみると、フロントの方々だけでなく、売店、食堂など従業員の方々、皆親切だ。経営ポリシーが一貫している。総ヒバ造りのヒバ千人風呂は石鹸の泡立ちがおきないほど、リンス不要のスベスベ感たっぷりの泉質、酸性硫化水素泉。これが実に気持ち良い。酸ヶ湯の快適さはサービスのよさだけでなく、とにかく料金が全てリーズナブルなのだ。温泉の入浴料金も500円と格安。やはり300年の歴史を持つ名湯治場ゆえなのだろう、低料金で誰でも気軽に湯治できるシステムは見事だ。6畳間の場合、1名3日間単位で1万2千円(1日4000円)、2名だと合計1万8千円で済む。しかも旅館内には自炊できるように野菜から肉、雑貨まで販売されている。それでも高いという方には、酸ヶ湯野営場が温泉のすぐ傍にあり、キャンプができる。ここも酸ヶ湯温泉が管理している。僕の場合、近くの公衆トイレ付きの無料駐車場で車寝したので宿泊料はタダ。酸ヶ湯温泉で購入したおにぎりを夕食として快眠

酸ヶ湯の蕎麦

酸ヶ湯温泉には鬼面庵(おにめんあん) という蕎麦屋がある。立ち食い蕎麦だからといって、バカにしてはいけない。蕎麦は地元のそば粉を使用した蕎麦で、安くてすこぶるうまい。自社工場での機械打ちではあるが、毎日その日に使う分だけ打っている。また店内には「八甲田の清水」と呼ばれる湧水があり、無料で飲める。これもうまい。人気にあぐらをかくことなく、旅行者に快適なサービスを提供する酸ヶ湯温泉には、ただただ頭が下がる。正直なところ八幡平、後生掛温泉との差は歴然であると感じる
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[186] 青森県 岩崎 須郷岬 イカのカーテンといかさし丼 2003.6.8
白神ライン(旧弘西林道)をぬけて岩崎に出る。白神ラインから見る白神の原生林は圧巻。ただしその全容を見られるポイントは案外少ない。深浦で一泊し、岩崎から八森まで五能線沿いに国道101号線を走る。十二湖を過ぎると、大間越海岸が始まり、白砂の美しい海岸線が続く。その海岸線は秋田との県境、須郷岬に近づくと磯場に変わる。コバルトブルーの海と磯の作る景観はなかなか見応えがある。視界にふいにイカのカーテンが現れた。そこは「福寿草」という食堂だった。新鮮なイカは食欲をそそる。さっそく店内に入り、メニューを見ると、いかさし丼、ほたて丼、いくら丼、魚貝丼、焼き魚がメインの福寿草定食など、どれも1000円以内と格安だ。僕は迷わずいかさし丼700円を頼む。刻み海苔にタレをかけたイカ、その上に生卵が乗っている。卵をイカと混ぜ合わせて、一気に食べる。タレの味もよく、もずくも、味噌汁も旨い。気になるイカのカーテンこと生干しイカも1枚350円で分けてくれるそうだ。旅の楽しみの1つは思い出に残る食事との出会い。それもガイドブックに出ている店ではなく、自力で見つけた旨い店だと喜びも一入だ。それにしても十二湖の「サンタランド白神」の淋しさは、日本の不況の原因を垣間見るようだ。経営ノウハウの無い自治体を主体とする第三セクターの、誰も責任をとらない体質が露呈。子どもに夢を売るはずのサンタは途方にくれていた。結局、村営化された「サンタランド白神」。果たしてサンタの微笑を再び見ることはできるのか
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[187] 岩手県 八幡平温泉郷 八幡平のオアシス 2003.6.11
鹿角の道の駅でモバキャン、八幡平に向かう。前日の夕食は比内町も経営に関わっている「れすとらん比内どり」で食べた比内鶏の鍋と刺身。しかしこれが全くのガッカリ。鶏肉の新鮮さが全く感じられない。比内鶏に期待して、閉店に間に合うように十和田湖から駆けつけたのに...これでは近所のスーパーの安い鶏肉と何等変わらない。鹿児島や宮崎で味わった新鮮な鶏とは大違い。だから今日は朝から元気がない。後生掛温泉で朝食の冷やし中華を食べるが、これも食べる前から絶望的。秋田側の八幡平は食事処が限りなく少なく、食べられるだけでも良しとしなくてはならない。もちろん八幡平自体は美しい風景と自然がいっぱい。霧に包まれた湿原の花達を見ていると時の過ぎるのも忘れてしまう。八幡平からの岩手山を眺めたかったのだが、岩手山山頂は遂に雲の中。撮影を諦め、八幡平温泉郷に向かう。腹ペコで倒れそうなのだ。温泉郷の交差点を左折した所で喫茶店とラーメン屋を見つけた。ラーメン屋は「ごろちゃん」という。時間も午後3時過ぎなので店内の客は僕一人だ。1日限定30食の「スペシャル手打チャーシュー麺」を注文する。メニューには、チャーシューに使用している豚肉は、秋田県小坂町で飼育された良質な豚を山のように使用していると書いてある。おばちゃんが作ってくれた「手打チャーシュー麺」は、確かに厚いチャーシューがたっぷりと入っていて、食べても食べても、肉がスープの中から現れてくる。しかも肉の旨味がガツンとある。昨日の比内鶏の味の無さにガッカリしたばかりだけに嬉しかった。手打の麺もコシがあり、スープもコクはあるけどさっぱりとしている。そりゃそうだ。店の近くには岩手山の名水「金沢清水」がある。水は良質なのだ。旨いラーメンに出会えたのはラッキーだった。お腹も落ち着き、左隣の喫茶店「珈琲舎ハイジ」で一服することに。山小屋風の店は奥さんが切り盛りしているようだ。メニューの中の「コーヒーぜんざい」が目にとまる。懐かしいぃぃ。「コーヒーぜんざい」との再会は、国道129号線、神奈川県厚木の喫茶店で食べて以来。一口食べると、こりゃ厚木のものよりもずっとずっと旨い。ペロっと平らげてしまい、「あんずジュース」も追加注文。これも旨い。ここの奥さん、かなり勉強されていると見た。そこで「あんずジュース」の作り方を訪ねると、気さくに教えてくれましたよ。素材に拘っていることや、あんずをジューサーでよ〜く絞ってから凍らせるとか。「ごろちゃん」も「珈琲舎ハイジ」も作り手の気持ちが伝わってくる。酸ヶ湯の蕎麦もそうだったし、奥入瀬の水出し珈琲も丁寧に作られていた。伊豆や伊勢志摩の旅館の人気が凋落しているのも、名所にあぐらをかき、個人の客よりも団体客を優先したビジネスのツケがきているのだ。この問題は日本の多くの観光地が抱えている。西表島では美しい海岸の森を潰してリゾートホテルの開発がはじまっている。残念だが、いまだに竹富町の町長や役人、地元のゼネコン業者は、開発こそが観光客を惹きつけ、お金を落とす最善策だと信じている。馬鹿げている。いまでさえゴミ焼却場の無い現実を解決することなく、許容量を越える客を受け入れて、その先どうするのだろうか。リゾートホテルに泊まる観光客に忠誠心は期待できない。飽きたらすぐに浮気をする。彼等は西表でなければならないとは考えていない。バリでもハワイでもよいのだ。しかし西表や石垣島に惚れ込み、毎年出かけるのを楽しみにしている人達はいる。ソムリエの田崎真也氏は釣り好きが高じて石垣島にマンションを購入、毎月通っている。これからの観光地が生き延びるには、自分たちの「ファン」をいかに獲得するかにかかっているのだ。ところで「ごろちゃん」のラーメンだが、現在、「スペシャル手打チャーシュー」は残念ながらなくなってしまった。その替りに鉄鍋ラーメン・シリーズが誕生、こちらの人気も上々のようだ
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