用語解説 HOME

検索用語2

本図鑑の検索システムは野外でも、初心者でも、ある程度直感的にきのこを見て検索が進められるように考えて作られている。そのため設けられたカテゴリーは必ずしも分類学に沿ったものではない。また設けられたカテゴリーで明確に分けられない事柄については、基本的に複数のカテゴリーにまたがって検索がヒットするように設計されている。個体変異などによって複数のカテゴリーにまたがる場合も、基本的にまたがるすべてにヒットする。

入力
種名、科名を50音順で検索できる。


食・毒



条件により毒
食用価値なし
食毒不明
*食
食用となるきのこ。

*毒
有毒なきのこ。

*条件により毒
生食すると中毒するもの、アルコール類と一緒に食べると中毒するものなど、条件つきの食用きのこ。

*食用価値なし
無毒であるが、小さすぎる、堅すぎる、あるいは香りや味に癖がありすぎるなどの理由で食用にならないもの。



発生場所

地面から
コメツガ、トウヒ林
モミ、ツガ林
ブナ、ミズナラ林
シラカバ、ダケカンバ林
カラマツ林
クヌギ、コナラ、アカマツ林
クロマツ林
スギ、ヒノキ林
竹林
シイ、カシ林
サクラ、ナシ、リンゴ
道ばた、公園、人家の庭
ウッドチップ、おがくず上
牛馬糞、堆肥上
草地、芝生

地面から発生するきのこの発生環境について、樹林帯別、基質別などでおおまか に15に分けた。

木から
アカマツ
スギ
ポプラ、ヤナギ類
カンバ、シデ類
ブナ、ミズナラ、ハルニレ
コナラ
シイ、カシ類
クリ
ケヤキ、ムクノキ、エノキ
クワ
サクラ類
ハリエンジュ、フジ
カエデ類
カキ
カラマツ、トウヒ

木から直接発生するきのこの発生樹種について、ごくおおまかに15に分けた。



基本的形態

ひだあり
傘のみ 傘、柄 傘、柄、つば 傘、柄、つぼ
傘のみ、又は太短い柄を持つ 傘、柄 傘、柄、つば 傘、柄、つぼ

傘、柄、つば、つぼ ひだでなく管孔
傘、柄、つば、つぼ ひだでなく管孔(イグチ類)

ひだなし
傘の裏はしわひだ状又はほとんど平滑 棒状 ホウキ、サンゴ状 サルノコシカケ状
傘の裏はしわひだ状又はほとんど平滑 棒状 ホウキ、サンゴ状 サルノコシカケ状

花びら、海藻、マイタケ状 下向き針状突起 類球形 卵状の袋から伸び出る
花びら、海藻、マイタケ状 (基部で一つにまとまる) 下向き針状突起 類球形
(含、星形台座)
卵状の袋から伸び出る

耳状、クッション状、不定形 チャワン状、コマ状、サジ状 鞍状、網状、不定形の傘
耳状、クッション状、不定形 チャワン状、コマ状、サジ状 鞍状、網状、不定形の傘

分類学上の定義は無視して、感覚的に近いと思われるものを選ぶ。

ただし「ひだあり」は基本的にはひだを持つきのこだが、イグチ類のようにひだではなく管孔(傘の裏の無数の穴)を持つものも含む。分類学上のハラタケ目。又ここでのイグチ類にはヒダ状の管孔を持つキヒダタケは含まない。

「ひだなし」は基本的にはひだを持たないきのこで、形態は変化に富む。ただしアンズタケ類はひだではなく、ひだによく似た「しわひだ」を持つ。(サルノコシカケ類にもひだ状の子実層托を持つものがあるが本図鑑では扱っていない)分類学上のヒダナシタケ目、腹菌類、キクラゲ類、子嚢菌類。



傘上面の色(傘がない場合きのこ全体の色)

桃、肉色
クリーム色、淡褐色
茶褐色
まだら

*まだら
複数の色味、または濃淡が入り交じっていること。交互になっていること。
環紋、斑紋の他、いぼ、ささくれ、顕著なしみなどによるものを含む。

*クリーム色、淡褐色
象牙色から段ボールの色くらいまで

*茶褐色
茶色から濃い茶色、焦げ茶色まで


傘下面の色

桃、肉色
クリーム色、淡褐色
茶褐色
しみ、ふちどり

傘を持つきのこの、傘下面の色は胞子の色を反映するため、分類的に重要なポイントである。ただし未熟なものと、成熟し胞子が落ち始めてからでは色が変化するので注意する。本図鑑では検索上では未熟な色、成熟した色の両方でヒットし、種ごとの解説の中で、色の変化について述べた。

*しみ
傘の裏に生じる顕著なしみ。

*ふちどり
ひだの色で、縁の部分だけが色が違うこと。


質・表面の様相

ぬめり

全体に
傘だけに
粘液に覆われていること、触るとぬるぬるすること。ただし表面が乾燥すると分 かりにくいことがある。

粉っぽい

全体に
傘だけに
柄だけに
微粉や綿埃状の物質に覆われていること。

ささくれ、りんぺん

全体に
傘だけに
柄だけに
表皮の一部、または全体が剥がれ、反り返っていること。

細粒点

全体に
傘だけに
柄だけに
地に対して色が違うか、粒状に隆起した細かい点が表面に多数見えること。

繊維状、毛

全体に
傘だけに
柄だけに
柄の根元に
表面が繊維状、絹状、または毛に覆われていること。
傘に

いぼ
しわ
条線、溝線
*いぼ
テングタケ科のきのこで、幼菌時にきのこ全体を覆っていた皮膜の破片が成菌の傘に残っているもの。柄の根本に残ったものはつぼと呼ばれる。ただし本図鑑においてはフィールドでの印象である程度検索が動くように、キイボカサタケ、ヒカゲシビレタケ、クリイロムクエタケ、ヒメアジロガサモドキ、クギタケの傘中央の乳首状突起も検索上は「いぼ」でヒットする。

*条線、溝線
傘の縁部に見られる放射状の溝。

肉質

ゼラチン質
ぼそぼそ
皮質
肉質
かたく緻密
スポンジ質
もろい
柔らか
強靭
充実
*ゼラチン質
きのこを押してみて、プヨプヨと柔らかく弾力ある質感を持つもの。
本図鑑ではオウギタケやナメコの表面のぬめりは入れない。

*ぼそぼそ
手できのこを壊してみた時、多少の力をかけると、やや大きなかたまりで簡単に 壊れること。

*皮質
適当な柔軟さと堅さを合わせ持っていること。

*もろい
手で触ると壊れやすいこと。



香り

醤油
アンズ
松茸
カレー
甘い、芳香
悪臭
魚介
粉、ほこり、土
樹液、カブト虫のにおい
乾燥した時に顕著になるもの、成熟した時にだけ出るものなども含めた。また 「甘い、芳香」については様々な種類の香りを含む。


試味(フィールドで少しだけかじってみる)

辛い
苦い
本図鑑作成にあたり作られた言葉であり、一般には使われない。
フィールドで生のきのこの一部を舌の上で多少噛み砕き、味を確かめて飲み込まずに吐き出す行為を言うこととする。毒きのこであるニガクリタケ、オオワライタケなどの同定に有効な手段であり、中毒する心配はない。ただし辛い乳液を分泌するチチタケ属の一部には口内炎を誘発する刺激を持ったものもあるとのことで、注意して行うこと。


フィールドで傷をつけてみる

傷口の変色


赤->黒




褐色
傷口の色が15分くらいまでの間に変化してゆくこと。
乳液の分泌



オレンジ
黄色
赤->青緑
青->緑
傷をつけた時に傷口から様々な色の液が出てくること。
一般にベニタケ科チチタケ属のきのこ内に含まれる液、及びチチアワタケなどが分泌する乳白色の液を差すが、本図鑑では傷つけた時に顕著に分泌されるカンゾウタケ、チシオタケの赤色透明の液も検索上はこの項目でヒットさせるようにした。


幅(直径)

1cm以下
20cm以上
傘があるものでは傘の直径、ないものでは上から見て一番幅がある部分の幅。ただしデータ的にかたよりがあるため、本図鑑では特に「1cm以下のもの」、「20cm以上となるもの」の2つに限定し検索できるようにした。


高さ

1cm以下
20cm以上
柄と傘のあるものでは柄の長さと傘の厚みを足したもの。他のものでは垂直方向の厚み。ただしデータ的にかたよりがあるため、本図鑑では特に「1cm以下のもの」、「20cm以上となるもの」の2つに限定し検索できるようにした。


用語 | 検索用語1 | TOP | HOME | 画面用語