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検索用語1

本図鑑の検索システムは野外でも、初心者でも、ある程度直感的にきのこを見て検索が進められるように考えて作られている。そのため設けられたカテゴリーは必ずしも分類学に沿ったものではない。また設けられたカテゴリーで明確に分けられない事柄については、基本的に複数のカテゴリーにまたがって検索がヒットするように設計されている。個体変異などによって複数のカテゴリーにまたがる場合も、基本的にまたがるすべてにヒットする。

入力
種名、科名を50音順で検索できる。


食・毒



条件により毒
食用価値なし
食毒不明
*食
食用となるきのこ。

*毒
有毒なきのこ。

*条件により毒
生食すると中毒するもの、アルコール類と一緒に食べると中毒するものなど、条件つきの食用きのこ。

*食用価値なし
無毒であるが、小さすぎる、堅すぎる、あるいは香りや味に癖がありすぎるなどの理由で食用にならないもの。



基本的形態からの検索

まず感覚的に近いと思われる形態を、分類学を考えずに選ぶ。
選んだ形態により、その後、傘の様相、色、傷の変色などによってそれぞれ検索を進める。以下最初に選ぶ基本的形態を図で説明し、『次検索→』で、そこでの次からの検索項目を示した。
検索は3段階まで進められ、数が少ないものでは1回で終わる場合もある。また基本的形態で、傘と柄だけで構成されるきのこは非常に数が多いため、地面に発生するもの、木から発生するものの2つに分けて検索をスタートし、3回の検索で、より狭く絞り込めるようにした。

傘のみ 傘、柄 つばあり つぼあり、つばなし
傘のみ、又は太短い柄を持つ 傘、柄、地面から つばあり つぼあり、つばなし
傘、柄、木から

つば、つぼあり ひだでなく管孔
つば、つぼあり ひだでなく管孔(イグチ類)

きのこらしくない形
傘の裏はしわひだ状又はほとんど平滑 棒状 ホウキ、サンゴ状 サルノコシカケ状
傘の裏はしわひだ状又はほとんど平滑 棒状 ホウキ、サンゴ状 サルノコシカケ状

花びら、海藻、マイタケ状 下向き針状突起 類球形 卵状の袋から伸び出る
花びら、海藻、マイタケ状 (基部で一つにまとまる) 下向き針状突起 類球形
(含、星形台座)
卵状の袋から伸び出る

耳状、クッション状、不定形 チャワン状、コマ状、サジ状 鞍状、網状、不定形の傘
耳状、クッション状、不定形 チャワン状、コマ状、サジ状 鞍状、網状、不定形の傘

傘のみ、又は太短い柄を持つ

次検索→傘上面の色

傘、柄、地面から
傘と柄で構成され、つばもつぼも持たないきのこで、地面から発生するもの。基本的にはハラタケ目のきのこだが、野外で直感的に見て選ぶことも考え、ヒダナシタケ目のアンズタケ、ヒナアンズタケ、ベニウスタケもヒットする。またつばが識別しにくいきのことして、カオリツムタケ、オオツガタケ、ニセアブラシメジ、ムレオオフウセンタケ、カワムラフウセンタケ、フタイロフウセンタケ、コレラタケ、クギタケ、オウギタケ、ムジナタケもヒットする。

次検索→傘表面の質
次検索→傘上面の色

傘、柄、木から
傘と柄で構成され、つばもつぼも持たないきのこで、木から直接発生するもの。

次検索→傘表面の質
次検索→傘上面の色

つばあり
柄につばを持つきのこ。

次検索→傘表面の質
次検索→傘上面の色

つぼあり、つばなし
柄の根本につぼを持ち、つばを持たないきのこ。

次検索→傘上面の色

つば、つぼあり
柄の上部につばを、根本につぼを持つきのこ。

次検索→傘のいぼの有無

傘の裏は管穴(イグチ類)
傘の裏がひだではなく、無数の小さな穴(管孔)になっているきのこ。分類学上のイグチ類からキヒダタケを除いたもの。

次検索→傷口の変色
次検索→傘表面の質

きのこらしくない形
棒状、ホウキ状、サンゴ状、類球形など、いわゆるきのこ的な形でないきのこ。基本的には分類学上のヒダナシタケ類、キクラゲ類、子嚢菌類。

次検索→形態


傘表面の質

ぬめり

傘表面が粘液に覆われていること。触るとぬるぬるすること。ただし表面が乾燥すると分かりにくいため、そのような場合、しばらく水につけるなどしてからあらためて見るとよい。

粉っぽい

微粉や綿埃状の物質に覆われていること。

ささくれ、りんぺん

傘の表皮の一部、または全体が剥がれ、反り返ること。顕著に毛に覆われる場合も含める。

平滑

本検索においては傘表面にぬめり、ささくれ、りんぺん、毛、微粉、綿埃状物質に覆われていないことを言う。
いぼ

テングタケ科のきのこで、幼菌時にきのこ全体を覆っていた皮膜の破片が成菌の傘に残っているもの。柄の根本に残ったものはつぼと呼ばれる。ただし本図鑑においてはフィールドでの印象である程度検索が動くように、キイボカサタケ、ヒカゲシビレタケ、クリイロムクエタケ、ヒメアジロガサモドキ、クギタケの傘中央の乳首状突起も検索上は「いぼ」でヒットする。


傘上面の色

桃、肉色
クリーム色、淡褐色
茶褐色
まだら

基本的形態からの検索において、2段階目以降の検索項目として出る はすべて傘上面の色を示す。一つのきのこの傘に複数の色がある場合、または個体によって色が変異する場合は、基本的にどの色でもヒットする。

*まだら
複数の色味、または濃淡が入り交じっていること。交互になっていること。
環紋、斑紋の他、いぼ、ささくれ、顕著なしみなどによるものを含む。

*クリーム色、淡褐色
象牙色から段ボールの色くらいまで

*茶褐色
茶色から濃い茶色、焦げ茶色まで


傘下面の色

桃、肉色
クリーム色、淡褐色
茶褐色
しみ、ふちどり

傘を持つきのこの、傘下面の色は胞子の色を反映するため、分類的に重要なポイントである。ただし未熟なものと、成熟し胞子が落ち始めてからでは色が変化するので注意する。本図鑑では検索上では未熟な色、成熟した色の両方でヒットし、種ごとの解説の中で、色の変化について述べた。

*しみ
傘の裏に生じる顕著なしみ。

*ふちどり
ひだの色で、縁の部分だけが色が違うこと。


フィールドで傷をつけてみる

傷口の変色

傷口の色が傷ついてから15分くらいの間に変化すること。
乳液の分泌



オレンジ
黄色
赤->青緑
青->緑
傷をつけた時に傷口から様々な色の液が出てくること。
一般にベニタケ科チチタケ属のきのこ内に含まれる液、及びチチアワタケなどが分泌する乳白色の液を差すが、本図鑑では傷つけた時に顕著に分泌されるカンゾウタケ、チシオタケの赤色透明の液も検索上はこの項目でヒットさせるようにした。


試味(フィールドで少しだけかじってみる)

辛い
苦い
本図鑑作成にあたり作られた言葉であり、一般には使われない。
フィールドで生のきのこの一部を舌の上で多少噛み砕き、味を確かめて飲み込まずに吐き出す行為を言うこととする。毒きのこであるニガクリタケ、オオワライタケなどの同定に有効な手段であり、中毒する心配はない。ただし辛い乳液を分泌するチチタケ属の一部には口内炎を誘発する刺激を持ったものもあるとのことで、注意して行うこと。


香り

醤油
アンズ
松茸
カレー
甘い、芳香
悪臭
魚介
粉、ほこり、土
樹液、カブト虫のにおい
乾燥した時に顕著になるもの、成熟した時にだけ出るものなども含めた。また 「甘い、芳香」については様々な種類の香りを含む。


発生場所

地面から
コメツガ、トウヒ林
モミ、ツガ林
ブナ、ミズナラ林
シラカバ、ダケカンバ林
カラマツ林
クヌギ、コナラ、アカマツ林
クロマツ林
スギ、ヒノキ林
竹林
シイ、カシ林
サクラ、ナシ、リンゴ
道ばた、公園、人家の庭
ウッドチップ、おがくず上
牛馬糞、堆肥上
草地、芝生

地面から発生するきのこの発生環境について、樹林帯別、基質別などでおおまか に15に分けた。

木から
アカマツ
スギ
ポプラ、ヤナギ類
カンバ、シデ類
ブナ、ミズナラ、ハルニレ
コナラ
シイ、カシ類
クリ
ケヤキ、ムクノキ、エノキ
クワ
サクラ類
ハリエンジュ、フジ
カエデ類
カキ
カラマツ、トウヒ

木から直接発生するきのこの発生樹種について、ごくおおまかに15に分けた。



幅(直径)

1cm以下
20cm以上
傘があるものでは傘の直径、ないものでは上から見て一番幅がある部分の幅。ただしデータ的にかたよりがあるため、本図鑑では特に「1cm以下のもの」、「20cm以上となるもの」の2つに限定し検索できるようにした。

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