現実に引き戻され、明るい外に出ると、地元の中学校の下校が始まっていた。
さっき着いたあの船に乗り込む、何人もの今どきの子供たち。
茶パツにしている子もいれば、化粧をしている子もいる。
それは都市と変わらない。
けれど、電車などではなく、自分の命を運ぶ人の、生の背中を手の届く距離で目にしながら、朝夕に潮を渡り、大人になっていく───
それが、島の子供たちと都市の子供たちとの違いなんだなぁ、と思う。
私は思わず、彼らの中に日々積み重ねられてゆくこの海と背中のぬくもりが、これから先の長い彼らの航海を、ずっと支え続けることを願ってしまっていた。
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