古代から造船のまちだった呉。
明治末期には、旧海軍工廠が置かれ、それ以後は東洋でもっとも大きな軍港として栄えた。
世界最大の戦艦として有名な"大和"も、ここから巣立っていったと言う。
そのためか、呉の市街地には煉瓦づくりの古い建築物が少なくない。
ひとつひとつ、人の手で組み上げられ、形をなす煉瓦の造形。
ここも、そのひとつ。
───入船山公園の脇に立つ、呉市立美術館だ。
ここには、平山郁夫など地元ゆかりの作家を中心に、わが国の近代・現代芸術の作品所蔵されている。
訪れた日はたまたま休館だったが、古きよき明治の香り漂うと言われる内部には、ぜひ入りたかった。
そして、美術館の隣に、寄り添うようにつくられた門。
そこは復刻された旧い時計塔のある、静かな入船山記念館。
明治時代、建てられた当時は、旧呉鎮守府司令長官の官舎だったと聞いた。
今は明るい日射しが似合う、近世の歴史の館に生まれ変わっている。
呉市立美術館・入船山記念館(入船山公園内)/緯度34'14'15'00 経度132'34'7'14
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