ジュウストは貧民を愛した心優しい城主として、語り継がれている。
領民の8割もの人々がクリスチャンとなったのが、その証‥‥
多くの血を流してまで城主となったのも、こうした貧しい庶民のための、暖かな政治を行うためだったのかもしれないなぁ、と思えてしかたがなかったりする。
けれど、キリスト教が受け入れられる世の中はそう長くは続かず、豊臣秀吉や徳川家康らによって、次々と禁止令が出されていったのは、みんな知ってる歴史の教科書の通り。
やがて‥‥遂にクリスチャンであることを理由に、はるかフィリピンに追放され、見知らぬ地でこの世を去ることに‥‥
けれど、今もこの教会の日溜まりの中に、風の中に、あるいはミサに集まるごく普通のおばちゃんや子供たちが歌う聖歌の響きの中にも、彼の心は生きているような気がする。
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