EXIT INDEX ノスタルジック・ロード◆西国街道 BACK NEXT

LIN001
遠くの方は知らないかもしれないけれど、高槻は、大阪と京都の間でいちばん大きな都市だ。
それなのに、JR東海道線の高槻駅を降りて山側へ10分歩いてみると、いきなり原生林に抱かれた別世界・天神さんに突き当たる。
上宮天満宮
天神さん入り口/緯度34'51'7'89 経度135'37'14'26
この天神さんの正式名称は、上宮天満宮。
まわりは、整備などほとんどされていない雑木林に、天然の竹林。
植物や、見えない動物たちの視線が恐く感じられるほど、人手の入っていない深い天然の森なのだ。
こうした森が、人がつくった町のそばで生き続けているのも、神社があったからだ‥‥と、私は思う。
そういう意味で、普段は信仰心のかけらのない私でも、古い神社だけは好きなのだった。
かえで

上宮天満宮境内
ほんの少し登ってきただけなのに、風がひんやりとしてくるのがはっきりわかる。
創建からすでに1050年以上を経たこの天神さんは、わが国第二の天満社だそう。

広い境内は深い森に囲まれ、静けさだけが満ちている‥‥
参拝の人たちの声が、時折どこからか聴こえてくるだけ。

自分の足音さえ吸い込まれそうで、なぜか足もとをじっと見下ろしながら歩いてしまうのだった‥‥

ここは、人がわがままを通す場所じゃない。
人が怖れ、存在することを願った「神」という名の無形の気配が、立ちこめる空間。
それは・・・結局は自然の息吹きや不可思議そのものだったと思いながら、しばらくその濃厚な気配の中に、立ち止まっていた。

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