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堺を“東洋のヴェニス”と表現したのは、宣教師・フランシスコ．ザビエル。
市民の憩いの場になっているザビエル公園には、彼の碑も建っている。
本来のヴェニス（ヴェネチア）は、アドリア海に開かれ、オリエントとヨーロッパを結ぶ大きな港として、ヨーロッパの中にあって東洋的な香りの濃い都市として発展した。
旧堺はその逆で、東洋でありつつ西欧文化を奔放なまでに取り入れたエキゾチックな都市として、世界という舞台に上った街だった。
そしてその色は、見た目だけに反映されたのではない。
日本的な思想をことごとく捨て去った町人による自治、そして古いものに捕われない革新的な文化や技の創造‥‥
千利休はこの町で茶道の本格を開き、能楽の喜多七太夫もこの自由な気風の中で活躍した。
今も、堺人は自由闊達である。こうした気風の根には、おそらくこの町の成り立ちや歴史が深く関係しているのだろう。
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