昔、環壕によって隔てられた外の世界と内の世界の境には、必ず関所のような地蔵尊があった。 壕は埋め立てられて見えなくなっても、その見えない壕は、今でも感じることはできる。 地蔵尊の右と左では、空気が違う。 地蔵尊の内側には、床屋や酒屋など、暮らしに密着した商家や町屋が並び、外側は無機質なコンクリートの世界が広がる。
どの口から入ろうとも、そこから中は旧平野本郷。 しかも旧市街らしくなく、大きな商店街がある。 町の南、商店街へ歩いてみる。