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雨の日のお買物

  先日カメラを買ってしまった。

  写真をたくさん撮っているせいで、
「さぞかし良いカメラをお 持ちなのでしょう」
といわれることがある。
もちろん僕の持っているカメラ が良いカメラでないとは言わないけれど、少なくとも最新のカメラではない。数はあ れども、
「いまだにこんな カメラをお使いなのですか」
といわれそうなも のばかりなんである。

 いまや当たり前になっているオートフォーカスの一眼レフ
・・・ 「オートフォーカスじゃない一眼レフなんかあるのか」とまた言われそうだけど・・ ・
は、山などで
「すみませーん、シャッター押して下さい」
といわれた ようなとき以外、まるっきり使った事が無い。ちょこちょこ動く子供をスナップする わけではなく、静止した物体や風景に目視でピントを合わせるのにはまだなんの問題 もないから、特にそれが必要とは思わなかったからだ。ただこれはもう数年たったら ヤバイのかもしれないけどね。

 でも最近手持ちの機材が続々と壊れ始めてきた。フィールドで15年 間酷使してきたのだから当然といえば当然である。こうなってくると生産中止のシス テムをいつまでも使っている訳にもいかず、ついに購入に踏み切った・・・と、そう いうわけだ。中古だけど。

  欲しくて欲しくて買った訳じゃなく、どっちかといえば仕方なく買っ たんだけども、手に入れてみれば、なんともまあだらしなく嬉しく、思わず
「む ふふふふ」
なのである。一世代前とは言えフラッグシップモデルである。だから それなりに立派な風体をしている。おまけにパワーブースターなる装置が底に取り付 けられておりますます不敵な威容を誇っておられる。
「でへへへへ」。

雨に濡れて・・

 さてさて、梅雨の間は写真を撮るのはお休みで、 買い物ばかりしている・・・というわけではない。

 雨の日だってとてもステキな撮影日和。雨に濡れた草花はとても良い 被写体になってくれる。ただ、そうは言っても「脚」は少し鈍くなる。そんな日は少 なくとも早朝の撮影はやらないから休みの日なら遅くまで家でゴロゴロしている。遅 くまでといっても7時とか 8時とかの時間をそういっているので普通の人に比べる と早いかもしれない。ちなみに僕らが早朝というのは、午前2時に出発とかそういう 時間のことで、4時にはもう撮影が始っている。とくに夏の朝はとても早い 。
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雨上がりの宝石
1999.7.4 霧ヶ峰 八島湿原 LML



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櫛形山

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シロバナヘビイチゴ
1999.6.12 櫛形山 LML
 「雨のち晴」なんて天気 予報の日は出掛けないわけにはいかない。運良く雨上がりに雲間から太陽の光がキラ リッなんて状況に出くわしたら、もう最高だからだ。

 櫛形山は櫛の背に例えられる南北に長い山頂をもっていて、そこには 名前のついたピークが3つある。北から唐松岳(1856.0m)、裸山(2002.6m)、奥仙重(2 051.7m)で、もっとも高い奥仙重が櫛形山頂とされている。櫛形山と言えば知る人ぞ 知るアヤメの名所だ。アヤメの群落があるのは裸山の周辺と、裸山の少し北のアヤメ 平。雨上がりの朝、中尾根登山道から登って裸山だけを往復した。中尾根登山道はテ ント場のある祠頭で中尾根登山道と合流して裸山と奥仙重の間の稜線にでる。

 もちろん僕が登った6月中旬にはアヤメはまだだが、既に花はたくさ ん。登りの途中ではラショウモンカズラとズダヤクジュが目につき、稜線の登山道脇 にはシロバナヘビイチゴの白い花が未明までの雨の名残の水滴をつけてきらめいてい た。もちろんスミレやキンポウゲ、場所によってはワチガイソウやアマドコロの姿も あって、花の山の片鱗をみせていた。



――― 夏へ ―――

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河口湖 1999.7.11 LML


 僕はここ数年富士山をずいぶん撮 ってきたけれど、それは秋から春にかけてのこと。雪の富士・・・この圧倒的に自己 主張してくる富士だけが僕にとっての 富士だった。

 だから自宅から富士山の見えない日が続く梅雨に入ってから新雪が来 る秋口までの期間、僕はあまり富士山を意識することがなかった。夏の間、僕は甲州 や信州の山に出掛けることが多く、そして山の上から遥かに富士山を望む事はあって も、それ はもう、僕が信州に住んでいるときに感じていた富士山に戻っていて、「 ああ富士 山が見えるなあ」という程度のものでしかなくなっていたのだ。

 それでもここ一昨昨年くらいからは夏も少しづつ撮るようになり、なんとか少し ストックも出来たがそれでもまだまだだ。

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朝霧高原 1999.7.11 LML


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鐘山の滝 1999.7.6 LML


カメラマンの横暴

  初夏から夏の富士の場合、絵柄的に山麓の風景との組み合わせることが多い。な かでも「花」は季節感を表現しやすい絶好の前景となる。ただ・・花の命は短いのである。写真好きは皆、うまく撮れそうな場所と時期を知っているから、その短い時期に特定の場所にに殺到する。そうするといろいろと摩擦・軋轢が発生してしまう。

 一部のカメラマンはまったく自分本意である。観光客が邪魔になると 罵声は浴びせるは、自分の写真に都合の悪い邪魔な花や葉を勝手に切り取ってしまう は・・・。ここまでくると不注意や出来心ではなく、人間性の問題であり確信犯だか ら、注意してどうこうというレベルを越えている。

 もし、ここを読んだみなさんが富士山麓に出掛けられ、大量のカメラ マンが三脚を構えているところに運悪く出くわしてしまった時には、このようなこと を体験あるいは目撃してしまうかもしれない。ただ、カメラマン全員がそうなのでは ない 。一部のカメラマンがそうなだけだ。

 「不愉快な思いをしたらごめんなさい。」
あらかじめ謝って済 む問題ではないけれど、カメラマン自身の自浄作用が働いてモ ラルが向上するまで にはまだまだ時間がかかると思う。(時間がかかっても向上す ると思いたいし向上 させなければいけないと思っている。)
 そして、もし三脚を立てる側に立った時、くれぐれも自分に恥ずかし い行動だけはとらない様に・・・自戒も込めて。
    富嶽仙人
     昭和38年生まれ
     富士宮市在住
     信州大学在学中に山と自然と写真に目覚める。
     富士宮市に移住後も富士山を主たる対象として写真活動を継続中。


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