トガリアミガサタケ

アミガサタケ科/アミガサタケ属


トガリアミガサタケ
鉛筆のキャップを被ったような形が特徴的。
撮影蜂須賀公之 4月14日 東京都町田市

和名 トガリアミガサタケ:
尖り編傘茸
発生時期
発生場所 各種林内地上、草地、庭園など。特にたき火の跡に発生する場合が多い。
発生の様子 地上に単生〜散生〜群生。


トガリアミガサタケ
一番大きいもので、長さ17cm。
撮影蜂須賀公之 4月14日 東京都町田市

大きさ
形状
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長さ3〜9cm。多数の穴が集合し、全体で長卵形〜類球形となる。穴の形は類球形〜不定形。淡紫灰褐色〜茶褐色〜黒褐色。穴の稜線の色ははじめ淡紫褐色、のちに黒色となる。傘の網目は縦脈が横の発達を上回る。

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長さ2〜8cm、中空。白色からしだいに橙褐色。普通全面に細粒点が生じる。柄は基部でやや膨れ、しわを生じるがオオトガリアミガサタケほど顕著ではない。

香り 成熟したものは干し貝柱やイカに似た強い匂いを放つ。そして実際に干し貝柱並に濃厚なダシを出す。料理になった時のアミガサタケ類の風味は最高に素晴らしく、例えば炭火で炊いた新米の、ちょっと焦げた部分を塩だけで握ったむすび、あるいはつゆをつけなくても充分に美味い打ち立ての新蕎麦、そういう穀類の香ばしさが最高に引き出された時に通づるものがあり、それよりもはるかに濃厚で、かつ安定したものである。この香ばしさは甘いものと非常に相性がよく、例えば鶏肉をシードル(リンゴ酒)で煮込む料理などには、鶏肉の旨味とリンゴのさわやかさを、絶妙に橋渡ししてくれる。クリーム類との相性のよさはあまりにも有名である。
特徴 形態も色彩も個体によって、また成長ステージにより幅がある。きのこ全体を縦に切ると、頭部から柄までが一続きの空洞になっている。胞子紋は淡黄褐色。
似た種類 成熟したものの傘の網目の稜線が黒いこと、縦脈が横脈より発達することでアミガサタケ、アシブトアミガサタケなどと見分ける。オオトガリアミガサタケは普通柄の基部の膨みがより顕著。アシボソアミガサタケは成長しても全体が5cm内外で小型。
食・毒
条件により毒
料理においてはオオトガリアミガサタケと区別する必要はほとんどない。ソテーした鶏肉、筍、人参とともに、仕上がりの半分の量の日本酒で煮込み、野菜が煮え、酒が飛んだら酒と同量の牛乳でゆっくりと煮る。牛乳の甘さと、きのこの濃厚な味が相まって、素晴らしい春のシチューとなる。牛乳を加えたら決して沸騰させないこと。煮込む時にセージを加えればさらに品のよい仕上がりとなる。仕上げに溶かしたバニラアイスクリームを少し回してやる。 成熟したものでは魚介類のような濃厚な香りがあり、シンプルなソテーでも十分に楽しめるが、肉はオオトガリアミガサタケよりやや薄い。生食では中毒する。

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