オオトガリアミガサタケ

アミガサタケ科/アミガサタケ属


オオトガリアミガサタケ
アミガサタケより1ヶ月近く早く発生する。
撮影蜂須賀公之 4月1日 東京都調布市

和名 オオトガリアミガサタケ:
大尖り編傘茸
発生時期
発生場所 道ばた、庭園、各種林内地上(特にソメイヨシノの周辺)、焼け跡など。
発生の様子 地上に単生〜散生〜群生。


オオトガリアミガサタケ
頭部はとがり、子実層の縦脈は発達し、横脈は弱い。
撮影蜂須賀公之

大きさ
形状
:
長さ3〜9cm、あるいはそれ以上になるときがある。多数の穴が集合し、全体で長卵形〜類球形となる。穴の形は類球形〜不定形。淡紫灰褐色〜茶褐色〜黒褐色。穴の稜線の色ははじめ淡紫褐色、のちに黒色となる。傘の網目は縦脈が横の発達を上回る。

:
長さ2〜8cm、中空。白色からしだいに橙褐色。普通根本は膨らみ、表面にしわ、細粒点が表れる。

香り アミガサタケの仲間はみな味がいいが、生の状態で強い香りを放つのは特に本種とトガリアミガサタケで顕著のようだ。成熟したものは干し貝柱やイカに似た強い匂いを放ち、このことで本種はシンプルな網焼きなどの料理にも充分な存在感を発揮することができる。
特徴 形態も色彩も個体によって、また成長ステージにより幅がある。きのこ全体を縦に切ると、頭部から柄までが一続きの空洞になっている。胞子紋は淡黄褐色。
似た種類 成熟したものの傘の網目の稜線が黒いこと、縦脈が横脈より発達することでアミガサタケ、アシブトアミガサタケなどと見分ける。トガリアミガサタケは柄の基部があまり膨らまない。アシボソアミガサタケは成長しても全体が5cm内外で小型。
食・毒
条件により毒
味という点については、あらゆる食用きのこの中で最も優れたものの一つ。ソテーした鳥肉、ゼンマイの水煮とともに日本酒で煮込むと、塩胡椒だけで、このきのこの素晴らしい濃厚な味を堪能できる。好みでタラゴンやセージのみじん切りを加えた生クリームを煮詰め、2つ目のソースとして盛りつけ時にかけてやれば、さらに重厚な一品となる。新鮮なものをシンプルなソテーとするなら傘の部分だけを利用し、柄はスープなどに用いればいいだろう。成熟したものでは魚介類のような濃厚な香りがある。生食では中毒する。

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