カニノツメ

アカカゴタケ科/カニノツメ属


カニノツメ
ウッドチップ状に群生。成菌は悪臭を放つ。
撮影蜂須賀公之 10月17日 東京都府中市

和名 カニノツメ:
蟹の爪
発生時期 初夏〜秋
発生場所 林内や庭園の腐食に富んだ地上。ウッドチップ上など。
発生の様子 数個がよりそって発生。(環境が合えばしばしば何百本の大群生となる)。


カニノツメ
卵からカニの爪を出しているようなきのこ。
撮影蜂須賀公之 10月17日 東京都府中市

大きさ
形状
形状:
幼菌時は径1〜2cmほどの卵形で白色。土中に半分〜ほとんど埋もれる。やがて頂部が裂開し、高さ5〜7cmのスポンジ状、アーチ型の腕が伸び出る。アーチの頂部は細まりオレンジ色、頂部の内側に暗オリーブ褐色の液状物質を持つ。この液状物質はグレバと呼ばれ、この部分に胞子ができている。腕が伸び出し、空気に触れるとグレバは悪臭を放ち、昆虫などを呼び寄せ、胞子を拡散させる。腕の基部は卵状の袋の中に残り、ほぼ白色〜やや淡いオレンジ色を帯びる。スポンジ状のアーチは、基部で2つに分かれて卵に収まっているが、引き抜けば簡単に卵から外せる。

香り 成熟し、卵状の袋から伸び上がったものは、アーチの中に挟まれた暗色の液体から生臭いような、やや強い悪臭を放つ。この匂いは卵が破れる以前にはしない。
特徴 スポンジ状のアーチは、基部で2つに分かれて卵に収まっているが、引き抜けば簡単に卵から外せる。
似た種類 サンコタケは3つに別れ、カニノツメは2つに分かれると思ったら間違い。サンコタケは基部が1本にまとまっており、カニノツメは上記の通り分かれるている。分かれる数は必ずしも決まってはいない。4つ以上に分かれるサンコタケもあれば、カニノツメも同様である。
食・毒
成熟してきのこが伸び出れば悪臭を放つことから、食菌としてはまったく知られていない。きのこ全体が小型でかつもろいため、キヌガサタケやスッポンタケのように、悪臭を放つグレバを洗い流して食用にするには不向きである。卵(幼菌)のままボイルし、半分に切ってから中華炒めなどに加えればよい。オレンジ色が美しく、かわいい貝の剥き身のような食材となる。ただし風味は同じように食用とできるスッポンタケには劣り、ほとんど無味無臭。

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