シメジモドキ

イッポンシメジ科/イッポンシメジ属


シメジモドキ
春、梅等のバラ科の樹下に群生する。
撮影蜂須賀公之 5月16日 埼玉県飯能市

和名 シメジモドキ:
占地擬き(別名ハルシメジ:春占地)
発生時期
発生場所 梅の木の下。
発生の様子 散生〜群生。


シメジモドキ
生食すると中毒する。
撮影蜂須賀公之

大きさ
形状
:
径5〜12cm。はじめまんじゅう型、しだいに開き縁部から不規則に波打ち、反り返り、しばしば顕著にひび割れる。表面は粘性を持たず、絹糸様の繊維紋が見られる。淡灰色〜灰褐色〜黄土色を帯びた灰色。

ひだ:
はじめ白色だが、成熟すれば肉色を帯びる。

:
長さ4〜8cm、中実、つばはない。縦に走る繊維紋が見られる。色は傘と同じ。

香り イッポンシメジ科のきのこには、プラスティック消しゴムに似た特有の無機的な匂いがあり、これに土臭さ、粉臭がブレンドされたようなかんじである。この匂いが表面にありきのこの旨味はその底に隠れている。新鮮なものでは表面の臭みが気になるが、これはやや時間をかけて調理してやれば抜けてゆく。例えばピクルスに漬け込んでしまえばまった気にならない。味噌汁にするならきのこを一度強く煮立てて、アクを除いて、火を止めて少し置き、再び暖めてから味噌を入れた方が臭みが飛び、かつ隠されていた味がしっかり出てきて美味い。
特徴 梅の実が銀杏ほどの大きさになる頃、木の下に発生する。大型でひだは白から肉色を帯びる。
似た種類 日本で一般的にハルシメジと言われ食用にされているものには2、3種類あるようである。ヤマザクラなどの下に出るやや小型で傘の色が濃いものは別種(Entoloma aprile 近縁種)で、無毒だがプラスティックのような匂いがあり、食用価値は低い。
食・毒
条件により毒
肉質は充実し、ゆでれば滑りを持ったいいダシ汁が出る。歯切れもすこぶるよい。大量に採れるため、ピクルスに漬け込めば、ちょうどビールがおいしい時期に食べ頃となる。ピクルスの汁は様々な料理にソースとして使える。シンプルな料理よりも、保存した時の利用価値が圧倒的に高いきのこである。佃煮ではむしろ日を置いて何度か火を通した方がコリコリと身が締まり、照りも出てくる。その点きのこは野菜とはまったく違う性質を持っている。生食では中毒する。

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