マツタケ

キシメジ科/キシメジ属


マツタケ
ツガ林に生えるマツタケは全体が白っぽい。
撮影蜂須賀公之 8月30日 富士山

和名 マツタケ:
松茸
発生時期 梅雨時、秋
発生場所 針葉樹林(アカマツ、ツガ、アカエゾマツ、コメツガ、トドマツ)内地上。
発生の様子 単生〜散生〜群生。


マツタケ
長さ17cmの幼菌。
撮影蜂須賀公之 8月30日 富士山

大きさ
形状
:
淡白色の地を褐色の繊維状林鱗片が覆う。成長し乾燥すればひび割れや裂けめができる。径8〜20cm、あるいはそれ以上。まんじゅう形から中高の平らに開き、さらに縁部が反り返る。

ひだ:
白色、のちに褐色のしみを生じ、密。

:
長さ10〜20cm、あるいはそれ以上。傘表面と同様の褐色鱗片が見られる。 綿毛状で成長後も残る。

香り マツタケの香りは非常に柔らかく、品よく、また加熱調理してもまったく損なわれない。「天雅なる」いささか大仰な形容も、このきのこにはふさわしい。著者は長さ17cm、大人の二の腕ほどの巨大なマツタケの幼菌を採集したことがある。その時に居合わせた12人でそれを薄く当分にカットし、それぞれが網焼きで食したのだが、誰もが言葉を失い。まるで深い森に抱かれたような静寂と、感動のため息だけがしばしその場を支配した。大の大人12人を、たった1本のマツタケの幼菌が、ここまで完全に圧倒できるのかと、あらためてその偉大な力を見せつけられた思いであった。以来マツタケの香りと言えば、あの深く満たされた静寂を思い出すのである。
特徴 古くから日本人に最も愛されてきたきのこ。生きた松と共生するため養殖できず、市場では非常な高値で取引される。落葉分解菌などとの競争に弱く、落ち葉が掃除されなくなった昭和40年代以降、発生が激減したと言われる。幼菌はマラカス型で地中に深く柄を持つ。
似た種類 バカマツタケは広葉樹林に発生。マツタケモドキは香りがない。
食・毒
説明不要。日本料理では、その香りが様々に利用されている。欧米人はこの香りを好まないということだが、沢山採れた時は、じゃがいもをベースにシンプルなタルトケーキに焼いてもたいへんおいしい。肉質は緻密で歯切れも素晴らしい。

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