ニオウシメジ

キシメジ科/キシメジ属


ニオウシメジ
超大型きのこ。これを見つけたら、しばらくきのこに困らない。
撮影上原貞美 9月14日 埼玉県八潮市

和名 ニオウシメジ:
仁王占地(現実離れした巨大さ、力強さは、まさに仏話の神将「仁王」がふさわしい)
発生時期 6月〜10月
発生場所 畑地、草原、堆肥上など。
発生の様子 数十本〜数百本の巨大な株になり、時にはその株がいくつも発生し見事な群生となる。


ニオウシメジ
草原の枯れ草溜まりに発生したが、発生は2年間で終わった。
撮影蜂須賀公之 10月10日 東京都調布市

大きさ
形状
:
径12〜47cm、まんじゅう形から開いて平らになり。さらに中央部がややくぼむ。縁部ははじめ内側に強く巻くが、成熟すれば開き、やがては大きく波打つ。表面は平滑でベージュ〜象牙色。

ひだ:
湾生。密。

:
長さ12〜47cm、径1〜3.5cm、表面は繊維状の模様が縦に走る。下方に向かい太まり、基部では多数の柄が集まって一つの株となる。傘とほぼ同色で中実。

香り 若い新鮮なものでは、他に例えようのない個性的な香ばしい風味を持っている。しっかりした風味だが、恐らくこれを嫌う人はあまりいないのではないかと思われる。たとえば数種のきのこをソテーして食べ分けてみようという時などは、ニオウシメジは明確に、かつ柔らかな物腰でその存在を主張することができる。圧倒的な外見のインパクトとは趣を異とした個性である。ただし老成すればこの独特の風味は、品質の悪い煮干しのようなものに変わってしまう。
特徴 超大型菌であるため、土中の栄養分を大量に消費すると考えられ、2〜3年発生し姿を消すことが多いようである。
似た種類 鍋に入れれば鍋がコップに、人が並べば小人に見えてしまう、現実離れしたきのこで、他にこれほど巨大なきのこはない。
食・毒
独特の濃厚なうまみを持ち、歯切れ、舌触りも素晴らしい。どんな料理にも合うが、あまりにも巨大なため、姿が分かるような料理では、きのこを食べているといった雰囲気にならない。
備考 本来南方系のきのこであると考えられ、アフリカ、及びアジアの熱帯から、日本国内では沖縄〜群馬県までに分布する。国内での発生が確認されたのは近年になってからで、発生地は北上しつつあると考えられる。埼玉県、千葉県などではしばしば発生報告を聞くが、諸島部を除く都内では1991年と92年に調布市内で発生した例があるのみ。

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