![]() | 日本人はきのこをあまり生で食べないが、もともとサラダを食べなかったのに、これだけ食べるようになったのだから、きのこも生で食べてもいい。ただし生のきのこというのは野菜のようにモリモリ食べるものではない。感覚的に、繊細に、ちょっとだけ食べて、それで充分に感じ取れるものである。トキイロヒラタケは、まずその色が美しいきのこであり、これを生かさねばならない。加熱すれば色はややあせるが(その後冷水でしめればやや戻る)、生のままオイルをかければむしろ色が濃くなり、風味も増す。まさに生食のためにあるようなきのこなのだ。ただし老成したものは繊維が強くなり、加熱しても食べにくいくらいであるから、消化が悪い生食にはもとよりむかない。今回は白いホタテ貝でピンクのきのことの対比をねらったが、これが白いウスヒラタケならサーモンでやればいいだろう。タネツケバナはどこにでもある野草だが、ピリットした辛みが秀逸であり、僕が好んで使うものだ。ロゼットの美しさもまた素晴らしい。自然の中の、このあまりにも感覚的なものたちを口にする時、舌と唇に弱い電気が流れるような、それだけにかけた一皿。 |
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作り方
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