ヤマドリタケと山の魚の白ワイン煮

イタリア人は海のものときのこを一緒に料理しない。僕は彼らのその風景に対する思い入れに共感する。彼らはまた養殖のきのこを好まない。フォアグラを発明したフランス人とはまったく違う。料理のことを勉強していると、西洋とは中国とフランスであって、イタリアと日本が東洋のようにも思えてくる。僕は料理のスタイルにはほとんど頓着しないが、野生のきのこをおいしく食べようと思ったら、イタリア料理は本当にいい先生になってくれる。そこでいかにもイタリアの田舎料理といった雰囲気の一品をここで紹介する。魚のフライにきのこのソースという、それだけの料理だが、これが最高に美味い。そして魚はヤマメでもニジマスでも、ワカサギでもいいが、山の魚でやる。口にして、風景が見えてくる料理を僕は目指したい。料理だけではない。すべての日本人の仕事から、日本の風景が消えつつある。スタイルはスタイルでよい。山と海が絶対一緒にならないとも言わない。しかし料理の中に、風景と人間の物語がなければその価値は半減するだろう。


材料 (4人分)

ニジマス、イワナなど川魚・・・・・4匹
エシャロット・・・・・5本
プチトマト・・・・・8個
ヤマドリタケ類の乾燥品・・・・・コップ1杯くらい
粒マスタード・・・・・大さじ2
白ワイン・・・・・400cc
バニラアイスクリーム・・・・・適宜

作り方
  1. エシャロットはみじん切りにし、フライパンにバターを熱し、しんなりするまで炒める。

  2. プチトマトは熱湯に30秒入れて湯むきする。

  3. 1.に2.のトマトと白ワイン、きのこ、マスタードを入れ、5分ほど中火で煮込み、あくを除いておく。

  4. 魚ははらわたとうろこを除き、軽く塩こしょうして、小麦粉を振ってオリーブオイルで色よく揚げる。この後さらに煮込むので、ここでは表面の焼き色だけを見ればよい。

  5. 揚げた魚を油切りし、3.のソースで15分ほど煮込む。

  6. あればセリ、クレソン、ワサビの葉などを添え、溶かしたアイスクリーム軽く回して供する。ワカサギなら冷製でもよい。冷製でいただく時はマスタードを多くすれば酸味が効いてマリネ効果となり美味。

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