ヤマドリタケモドキの刺身

きのこ料理で刺身と言っても生で食べるわけではない。ヤマドリタケ類やシイタケなどの肉厚で味のしっかりしたきのこを湯がき、冷水で締めて刺身風にワサビ醤油などでいただく料理である。このように刺身にできるきのことしてはヤマドリタケモドキが白眉であって、幼菌から成菌までで食味が違ってくるのもまたおもしろいところである。コリコリと身の締まった幼菌はタコの刺身を思わせ、たっぷりとした成菌の傘はウニ、同じく柄はミル貝にそくっりとなる。湯がく場合、野菜などでは長くゆでれば柔らかくなってしまうが、きのこの場合は湯に入れてすぐに柔らかくなった後は、それほど変化しない。逆にタコやイカのように堅くなることもない。ヤマドリタケモドキよりやや貧弱なコウジタケなどは刺身よりもビーフシチューなどに入れると美味であり、まるでウニが生のままの食感を保ちながら熱いシチューに入っているという、不思議な味わいの料理を作ることが可能となる。そしてこれがまた超美味なのである。


材料 (2人分)

ヤマドリタケモドキ・・・・・幼菌、成菌1本づつ

作り方
  1. ヤマドリタケモドキは半分に切って熱湯に入れ、1分程度ボイルし、冷水に取ってよく締める。

  2. 柄と傘を分け、傘はやや薄く切り、柄は好みで貝柱風に横に、あるいはミル貝風に繊維方向に縦に切ってもよい。

  3. わさび醤油で供する。

HOME