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【ミヤコグサ】(マメ科)

ミヤコグサは淀君が愛した花だという。
真偽のほどはわからないが、そう思い込んで損はない。
名前は京の都に多かったことによるそうである。
図鑑によると、分布は日本全土となっているが、なぜか稲城〜多摩丘陵では見かけない。
東北や中京でも花を見ているのに、不思議である。
稲城では、多摩川の堤防で見ただけである。

ミヤコグサがあったのは、土手のてっぺん近くだ。
増水しても水は来ない位置なので、上流から流れ着いたとは考えにくい。
漂着なら、もっと下の、それらしい場所にあるはずだ。
おそらく、堤防工事を行ったときに運んできた土砂に、タネが混じっていたのではないだろうか。

多摩川の右岸(稲城側)には、是政橋から多摩河原橋まで、遊歩道(サイクリングロード)がつながっている。
ウオーキング、ジョギング、散歩、自転車などが通る。
ここでスケッチしていると、ときどき覗き込んで話し掛けてくる人がいる。
オバチャンの場合は、遠慮会釈もない。
「あら、絵を描いていらっしゃるんですか。まあ、お花を。あ〜らきれいだこと。なんのお花かしら。どこかで見かけたことがあるわね〜。今日はお休みですか。それとも・・・あら、定年で。いいわね〜。のんびりできて。いつも多摩川へいらっしゃるんですか。暑いのにたいへんでしょう。どちらからいらっしゃったの。ま〜・・・」
もう、いいかげんにしてくれ、といいたくなる(^_^;)

オバチャン攻撃よりももっと怖いのが直射日光の攻撃だ。
画用紙の反射で目が「雪目」になってしまう。
そういえば、ミヤコグサもまぶしがって葉を閉じている(ニセアカシアの項参照)ではないか。
直射日光の問題についてはノイバラのときにも触れた。
その際、解決策をいずれ説明すると約束しておいた。

現在行っている対策は、折りたたみ傘を三脚に取り付ける、という方式だ。
な〜んだ、と思われるかもしれないが、そこへたどり着くまでに数年かかったわけである。
あるとき、雨の中で写真を撮ってる人がいて、傘を三脚に固定していた。
話を聞くと、専用のアタッチメントが市販されているのだそうである。
早速新宿のカメラ屋へ出かけ、アタッチメントを購入した。

三脚への取り付けは、画板固定用の金具(ハンショウヅルの項参照)へねじ留めした。
使ってみると、傘の中へ頭を潜らせるような感じだ。
傘の位置が低すぎるのである。
スケッチ中には、花を横から上から眺めるために、無意識のうちに顔を動かしている。
その都度、傘の骨に頭がぶつかる。

傘をもっと上へ持ち上げる方法はないものだろうか。
道具類は全部担いで歩くのだから、できるだけ軽く、かさばらないものが良い。
考えた末、三脚のエレベーターシャフトを利用することを思いついた。
普段はほとんど使っていないので、外してアタッチメントの取り付け台に連結できるようにすればよいのだ。
ネジと金具を買ってきた。こんどはOKである。

こういう、道具を作ったり改良したりすることには、なぜか夢中になる。
工夫を積み重ねて、思ったような機能が実現できたときは、うれしいものだ。
ラジオの組み立てに夢中になっていた少年の頃が蘇る・・・のかもしれないと思う。