京都・実相院 幽玄の美学 漆黒に映り込む 床紅葉 2008.11.19

京都府京都市左京区、洛北の山裾に位置する実相院門跡(岩倉門跡)は、ご本尊の不動明王が鎌倉時代に作られたと伝えられる門跡寺院。客殿や門などは御所から下賜されたもので、寺宝には、ゆかりの天皇の宸筆や狩野派による襖絵の他、歴代門主などが綴った260年間に及ぶ貴重な史料、実相院日記もある。一方、モリアオガエルも棲む境内では、山々をのぞみ、池泉回遊式庭園と石庭が趣きを見せる。紅葉が日々色づきを増し、見頃を迎えている。池泉回遊式庭園は中旬あたりまで、石庭は月末頃まで続きそうだ。実相院ならではの紅葉の愉しみ方には「床紅葉 ゆかもみじ」もある。磨かれて漆黒に光る板の間に映り込む紅葉の彩りは、現実の紅葉とは異なる美しさを醸し出す。得も言われぬ輝きを放つ眺めだ。床紅葉の見頃はそろそろ最盛期となり、月末にかけて見頃が続く見込みだ。ただし、床紅葉は天候や時間帯によっても見え方が違い、きわめてデリケートな見所とも言えるだろう。なお、床に映るのは、紅葉ばかりでなく、青葉の季節には、エメラルドグリーンの「床緑」も堪能できる。

開 9:00〜17:00
休 無休 
料 大人500円 小中学生250円
備 11/15〜11/30 18:00〜21:00 夜間特別拝観・ライトアップ
  10/11〜12/14 秋季特別展 「幕末の岩倉」〜実相院日記「篤姫」の時代〜
交 市営地下鉄国際会館前からバスで10分岩倉実相院下車、タクシーでは約5分
   叡山電鉄岩倉駅からは徒歩20分
駐 無料あり ※ただし秋季駐車不可
所 京都府京都市左京区
問 075-781-5464 実相院 http://www.jissoin.com/