北海道・旭川　上野ファーム　1000種の花々がつづる庭物語　2008.06.19

北海道旭川市の郊外、緑の水田地帯が続く中に、標高差30m程の小高い射的山があり、ふもとには、1600坪以上の庭を持つ「上野ファーム」がある。100年続く米作り農家育ちの上野さんが家族とともに造った庭園は、春から秋にかけ、およそ1000種の花が次々に咲く。印象派絵画のように、光あふれ色彩豊かな世界が、季節の移ろいを見せていく庭だ。ガーデニングの本場、イギリスで9か月留学の上野さんが、水田であった場所にダンプ500台分の土を入れて埋め立て、土づくりから始めた本格的庭造り（オープンガーデン）は、2001年からだが、前身は1980年代、両親が新しい農産物を模索して試験栽培したハーブの花畑や石畳の庭づくりなどが元となっている。農業を営みながら、”農村の景観をもっと魅力的に美しくしていきたい”という家族の思いは、英国風をベースに独自にアレンジした”北海道ガーデン”に込められている。現在、赤やピンクのオリエンタルポピーが花ひらき、早咲きのバラもほころび始めている。6月下旬からはバラも見頃を迎え、7月なかばにかけて、庭園は、最もボリュームある花景色が楽しめる季節となるだろう。ファーム内には、花の苗やガーデニンググッズなどのショップやカフェがある他、イベント時にはコンサート、アロマセラピー講座、近隣産品のマルシェや、作品展なども行われる予定。ガーデン造りをきっかけに新たな交流が生まれ、様々な情報も発信される。若い感性で農家のスタイルは、まだまだ変わっていきそうだ。

北海道旭川市