長野・蘭ミュージアム・高森　貴重な蘭の原種と南アルプス展望　2008.01.01

長野県高森町の標高およそ700mに位置する「蘭ミュージアム・高森」は、世界の貴重なランの原種など約2000種、2万株を有する、ラン専門の植物園。ランは南国のものというイメージもあるが、実は熱帯の高地に多く生育するランにとっては、高森町の気温変化や日照などが、栽培に適していると言われている。ラン研究の第一人者である唐澤耕司博士が、町に寄贈したランを中心に展示している。ランは被子植物では進化の最先端にいるとも表現され、世界にラン科の植物は約2万5千種と多種多様、新しい種も次々生まれ、発見も続いている。冬はランの花数が多くなり見応えのある時季、園では、それぞれの魅力を紹介しながら、随時展示内容を入れ替え、1/1からはランの女王、カトレア展も始まる。現園長でもある博士は、ランを通して植物の世界の不思議さ、生命の尊さなどをこどもたちに伝えたいと積極的に催しも行い、ランと昆虫の科学絵本「クレスのランものがたり　全12巻」も著した。なお、一帯は伊那谷や、3000m級の山々が連なる南アルプスの大パノラマを満喫できるロケーション、元旦には初日の出が拝めるようにと、7:00から早朝開館、冬季は15:30頃からは日も傾きかけ、真っ白に雪化粧した南アルプスがほんのりピンクに色づく夕映えも見逃せない場所だ。周辺の日帰り温泉、「信州たかもり温泉　御大の館」からも南アルプスの眺望が楽しめる。

長野県下伊那郡高森町