徳島・海陽 苔むした鎮守の森に 勢揃いした奴さんたち 2007.11.29

徳島県海陽町は、平成18年に海南町、海部(かいふ)町、宍喰町が合併して誕生した町。清流海部川に、オオウナギやホタルの生息する母川が合流し、太平洋へと注ぎ込む河口付近、国道55号線沿いには、標高30mの妙見山がある。両手を広げた奴さんのようなユニークな形をした寄生植物、ヤッコソウの北限自生地(県の天然記念物)だ。ショッピングセンターのすぐ裏手という位置ながら、石段を上った明現神社の境内は、苔の絨毯が広がり、時折どんぐりの落ちる音がポトッと響くほど、静かな空間。自生地と表示された場所で、シイの根元に目を凝らすと、乳白色をした指先程の小さなヤッコソウがたくさん顔をのぞかせている。目がなれてくると、あっちでもこっちでも集まって、まるで踊っているようにも見えてくる、なんとも微笑ましい姿だ。筒状の雄しべの帽子をつけた雄花期と、白いくりくり頭を見せた雌花期のヤッコソウが見られ、ちょうど見頃を迎えている。今年は例年より開花は遅めで、12月初旬まで見られそうだが、次第に黒ずむので、お早めに。なお、妙見山は、春には700本のサクラの見所ともなる。町内には、鈴ヶ峰(標高395m)にもヤッコソウの自生地(国の天然記念物)がある。

開 
休 
料 
交 JR海部駅から徒歩10分
駐 周辺 特になし
所 徳島県海部郡海陽町
問 0884-76-3050 海陽町観光協会 http://www.kaiyo-kankou.jp/