群馬・本白根山　復元で甦る可憐なコマクサ群生地　2007.07.21

日本百名山のひとつ草津白根山は、群馬・長野県境に位置する白根山（標高2160m）、逢ノ峯（2110m）、本白根山（2171m）三山の総称。見所としては、エメラルドグリーンが印象的な白根山の火口湖湯釜、秋にはリンドウの花咲く弓池湿原、そして夏の本白根山では、数十万株とも言われるコマクサ群落がある。高山植物の女王、ピンク色が目をひく可憐なコマクサは、コマクサ畑や展望所付近で見頃のピークを迎えている。7月中は花を楽しめそうだが、から釜付近や遊歩道沿いの場所によっては、種が付き始めている株も見かけられるので、お早めに。見事な景観を見せるコマクサ群落だが、実は多くの人々の気持ちと手がかけられた花風景でもある。コマクサはもともと本白根山に自生していたが、乱獲された時期があり、絶滅の危機に瀕していた。そこで地元の有志や草津町の中学生なども加わり、復元、保護活動が進められ、今に至っている。早くからコツコツと復元に向けて活動された方はすでに故人となられているが、花景色とともにその気持ちも引き継いでいきたい。なお、周辺の探勝コースでは、コキンレイカ（ハクサンオミナエシ）、ヒメシャジン、ベニバナイチヤクソウ、ハクサンイチゲなども咲き始め、高山植物観察のシーズンだ。また、嬬恋村では、7/22・23に万座温泉コマクサ祭りが行なわれる。

群馬県草津町