香川・高松　特別名勝　栗林公園　春告げる梅の香り　2006.02.24

香川県高松市にある栗林公園（りつりんこうえん）は、16世紀後半、築庭されたのが始まりと伝えられ、代々の讃岐高松藩主により100年余りをかけて修築が重ねられ、松平家11代228年間にわたり下屋敷として用いられた。現在は県立公園となり国の特別名勝に指定されている。背景を成す紫雲山（59ha）を含め約75haの広さがあり、南庭と北庭、6つの池と13の丘から成り立ち、歩き進むうちに変化する庭園美を堪能できる廻遊式大名庭園だ。今の季節はサザンカ、ツバキ、ウメなどが彩りを添えている。今年はウメの開花が遅れていたが、約200本のうち130本が早咲きのため、そろそろ見頃の時期となり、辺りには早春の香りが広がっていく。遅咲きのウメまで含め、3月中は花を楽しめそうだ。栗林公園は花ばかりでなく松の見所でもある。園内には合わせて1400本あり、110個の石組みにより亀を表し、鶴の舞う姿をクロマツで配した「鶴亀の松」や、長年の仕立てで独特のフォルムを作り上げた「箱松」、樹齢200年余りの「根上り五葉松」などが見られる。なお、池のほとりには、歴代藩主が大茶屋として愛用した数寄屋風書院造りの掬月亭があり、煎茶や抹茶が味わえる他、月釜も年に8回程行なわれている。

香川県高松市