静岡・下田　伊豆白浜　川沿いに花の帯　磯菊　満開に　2005.11.17

伊豆半島南部、静岡県下田市の白浜と言えば温暖な気候で知られ、冬の「アロエの里」が花の見所として知られている。アロエの花より一足早く、晩秋の白浜地区に賑わいをもたらすのは、イソギクの里だ。下條川の土手沿い750mには、地元有志の方たちが植栽した百万輪とも言われる、カラフルなイソギクのフラワーベルトが満開を迎えている。もともとイソギクは、伊豆の海岸などに見られるキク科の植物で、原種は花びら（舌状花）を持たない、素朴な明るい花だ。近くのアロエ栽培農家、藤井公行さんはイソギクに惹かれ、野生種の中にもごく小さな花びらを持つ変異種を見つけては集め、ミツバチを使って交配するなど、25年にわたってイソギクの品種改良を進めてきた。今では、育種は30品種にのぼり、黄色、ピンク、白、赤など花びらも色とりどり、ボリューム感ある株になってきている。中でも、「菊もみじ」は、咲き始めの白から咲き終わりの赤紫へと変化する色合いが楽しめる品種だ。さらに小粋な花を育て楽しむだけでなく、イソギクで地域おこしもと、仲間と「いそぎくの会」を発足、植栽を進め、2002年からは「いそぎく祭り」を開催している。輝くばかりに咲くイソギクの花は、まつり期間中見頃が続きそうだ。なお、アロエの里では、花はまだ2分咲き、こちらの見頃は12月中旬になりそうだ。

静岡県下田市