北海道・歌才ブナ林　北限のブナの森　黄葉情報　2004.10.23

北海道黒松内町は、地図上では細くくびれた場所に位置している、道央の町。日本海、太平洋へ直接面してはいないが、共にあと数百mの所に町境がある。このため標高750mの黒松内岳からは、二つの海を展望できる場所だ。町内の歌才（うたさい）地区には、国の天然記念物、歌才ブナ自生北限地帯がある。広さ92ha、平均樹齢150年、中には直径136cmに及ぶブナも自生し、林の60%がブナで占められている。こんもりとしたブナの森では、ちょうど黄葉の見頃を迎え、これから来週位までに訪れるのがよさそうだ。ただし今年のブナ林は、台風18号の影響を受け、落葉や倒木もあり、例年並みの黄葉に至っていないのは残念だ。ブナではないが、歌才ブナ林の象徴的存在であった樹齢500年のミズナラも根元からざっくり折れている。倒れたミズナラはその後の変化、世代交代も、貴重な学術資料としての意味を持つと言われており、大切に見守っていく必要があるだろう。林内には往復約2時間の遊歩道があるので、まずは林内の状況に詳しいブナセンターに立ち寄ってから、歌才ブナ林に向かうのがよい。秋は山道もぬかるみやすく、軽いアップダウンもあるため、足元はトレッキングシューズか長靴を履いて行きたい。なお、町内各所では、貝の化石も多く発見され、かつて町が海の底であった証を残している。

北海道寿都郡黒松内町