高知・砂浜美術館　秋の作品集　らっきょうの花畑　2003.11.07

「私たちの町には美術館がありません。美しい砂浜が美術館です。」このメッセージから始まる高知県大方町の砂浜美術館。美術館と言っても、そこに広がるのは、青い海と4kmにわたる松原の浜辺。入野海岸（日本の渚・百選）だ。打ち寄せる波、風に揺れる黒松の枝、沖合いのクジラも、流れ着く漂流物も、365日全ての一瞬が作品となる。晩秋に訪れれば、チャーミングな野菜の花、「らっきょうの花見」が楽しめる。砂地に栽培された特産のラッキョウは、合わせておよそ20ha。花畑の見頃は、今週から来週にかけてとなりそうだ。砂浜美術館では、自然環境にプラスαする形で、様々なイベントも行なっている。特にGWには、全国から応募の絵画や写真をまっ白なTシャツにプリントし、砂浜で展示する「Tシャツアート展」や、砂浜を裸足で駆け抜ける「シーサイドはだしマラソン」で賑わう。”砂浜美術館”というコンセプトを確立したことで、町の魅力を再発見し、新たな価値も見出している。自然と人の営み、訪れる人との接点ともなる美術館だ。

高知県幡多郡大方町