北海道・アポイ岳 特異な岩石と海霧が育む 高山植物 2003.05.14

北海道の様似町には、日高山脈の南端部に位置するアポイ岳(標高811m)がある。標高の低い山にも関わらず、アポイを冠する貴重な固有種など80種以上の高山植物が自生し、アポイ岳高山植物群落は、国の特別天然記念物に指定されている。現在、アポイアズマギク、アポイキンバイ、ヒダカソウ、ヒダカイワザクラ、サマニユキワリなどの可憐な花々が、登山者を迎えてくれる。これから6、7月のエゾコウゾリナ、10月のコハマギクに至るまで花のシーズンは続く。登山道からは、太平洋や日高の山々、幌満コース側は天気がよければ襟裳岬まで見渡せる眺望も楽しみだ。アポイ岳で高山植物が多く見られるのは、地質が超塩基性のカンラン岩などから成り立つこと、山頂は海岸からわずか3km程と海霧の発生を受け、気温が上がりにくく、強い風も吹くなどの厳しい生育条件によると考えられている。これらの環境の中、命を引き継いできた植物だが、今は盗掘や訪れる登山者の靴に付着する外来植物、踏みつけなどの影響を受け、存続が危ぶまれる。キジ撃ちの問題もあり、山の花々に会いに行くには、山の現状を認識してから訪ねたい。

開 随時
   アポイ岳ビジターセンター 4月中旬〜9月 9:00〜17:00(4月は土・日曜・4/29・30のみ)
休 無休 
   ビジターセンター 期間中月曜・冬期
料 無料
交 JR様似駅からバスでアポイ岳登山口まで10分、徒歩20分でビジターセンター、さらに徒歩2時間30分〜3時間で山頂
駐 無料 数十台(登山口周辺)
所 北海道様似郡様似町
問 01463-6-3601 アポイ岳ビジターセンター
   01463-6-2111 様似町役場 http://www.hokkai.or.jp/samani/