山梨・清春芸術村　残雪の南アルプスと春を謳歌する桜　2003.04.18

山梨県長坂町の「清春芸術村」は、標高およそ740mに位置し、雪を残した甲斐駒ヶ岳をはじめ南アルプスの山々、八ヶ岳、南には富士山も眺望できる旧清春小学校の跡地にある。敷地内には、「清春白樺美術館」やシンボリックな正16角形のレンガ造りの建物「ラ・リューシュ」（会員制貸アトリエ）、「ルオー礼拝堂」などが建つ。周りでは、約50本の桜の樹が、ちょうど満開となった。樹齢およそ80年のソメイヨシノは、大正14年、小学校が落成した記念に当時の児童が植樹したもの。年月を経て、枝先にはたくさんの花を咲かせている。「清春芸術村」は、銀座の画廊オーナー吉井長三氏によって造られたが、その理念は、親交のあった白樺派の武者小路実篤の”ゆくゆくは、美術館を機縁として何か人類の平和と愛と喜びと理解と友愛の運動を日本にも起こしたいものと思ふ”を基としている。芸術家にとって大切な鑑賞・創造・瞑想の場を有し、蜂の巣を意味する「ラ・リューシュ」は、数多くの芸術家を世にだしたパリの同名集合アトリエを模している。

山梨県北巨摩郡長坂町