和歌山・那賀 青洲の里に咲く 白い曼荼羅華の花 2002.08.24

和歌山県那賀町は、大阪府との県境にある葛城山(和泉葛城山 標高858m)から紀ノ川にかけて広がる町。江戸時代の蘭学医、華岡青洲が生まれた土地だ。有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」によって、青洲の名前を知った人もいるだろう。青洲は、1804年に、「通仙散」という経口麻酔薬を用いて、世界初の全身麻酔を行い、手術を成功させている。通仙散の主成分となった植物がナス科の、曼荼羅華(まんだらげ)と呼ばれるチョウセンアサガオだ。宵の口から花ひらき、昼前にはしぼんでしまう、縁がほんのり紫色を帯びる白い花は、開花期間が5月下旬頃から10月なかば頃までと長い。美しい花だが、猛毒な成分を持つという認識が必要な植物だ。手術を成功させた青洲のもとには、患者ばかりでなく、全国から医学をめざす門下生が集まり、その数は1000名を越えた。「青洲の里」では、当時の住まいや医院、医塾「春林軒」の建物を資料に基づき、修理、復元し、医療具なども展示している。里の周辺や道端などでは、マンダラゲの花が今も静かに咲く。

開 青洲の里 10:00〜19:00 (春林軒・展示室 10:00〜17:00)
休 月曜(休日の場合翌日)
料 春林軒・展示室のみ有料 大人600円 こども300円
交 JR名手駅から徒歩20分、車では6分
駐 無料 100台
所 和歌山県那賀郡那賀町
問 0736-75-6008 青洲の里
   那賀町役場 http://www.town.naga.wakayama.jp/