京都・東林院 雨あがり 苔庭に散る 夏椿の白い花 2002.06.18

京都府京都市の右京区には、1337年に創建された臨済宗妙心寺派の大本山、妙心寺がある。47に及ぶ塔頭のひとつ、東林院では、特別拝観「沙羅の花を愛でる会」が始まっている。ここで言う沙羅とは、ナツツバキのこと。梅雨の季節に咲く清楚な白い花は、朝ひらき、夕方にはぽとっと落花してしまう、はかない一日花だ。樹齢300年、高さは15m、幹周り1.5mの堂々とした木は、幹が大きく二つに分かれ、沙羅双樹とも呼ばれている。「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」平家物語の一節が浮かぶ花景色だ。本日は、朝のうちに雨が降り、午後には上がったため、しっとりぬれた苔の上に散る純白の花が、殊のほか美しい。心静かに庭を眺めてみたい。なお、東林院では、5月、10月には、ろうそくの灯をともし、幻想的な夜の庭園へといざなう「梵燈のあかりに親しむ会」を行う。また、西川玄房住職自らが、禅の心と料理を伝える「禅寺で精進料理を体験する会」なども定期的に開催している。

開 6/12〜6/30 9:30〜16:00 沙羅の花を愛でる会
   ※東林院では、特別拝観など決められた日程以外は一般公開はしていない
休 期間中無休
料 拝観料 1500円(抹茶・お菓子付き)  5300円(精進料理付)
備 6/12 花供養とお香を聞く会
   6/24・25 沙羅の夕べ(予約終了)
交 JR花園駅から徒歩8分
   JR京都駅から車で20分
駐 なし (周辺 花園会館駐車場)
所 京都府京都市右京区花園妙心寺町
問 075-463-1334 東林院