熊本・一の宮　仙酔峡を染めるミヤマキリシマ　2001.05.15

熊本県一の宮町は、今もなお噴火を続ける阿蘇山の中岳から、北東に広がる町。山裾には、火振り神事で有名な阿蘇神社が建つ。町内から火口へ向かう途中に、紅葉とミヤマキリシマの名所、仙酔峡がある。ミヤマキリシマは、ツツジ科の低木で、九州の火山性の高山に多く見られる植物。阿蘇の他、雲仙、霧島、久住などにも自生する。一際鮮やかな紅紫色の花は、ちょうど今が見頃。10.5ha、5万株の大群落が山の斜面を彩る姿は、壮観そのものだ。今年は、暑かったり寒かったり天候にムラがあったため、下から順に咲き揃う訳ではなく、色合いも今ひとつと地元の方は話すが、朝一番、花の色合いが美しい時間帯を狙って、大勢のカメラマンが訪れることに変わりはない。仙酔峡ロープウェイから眼下に望む花群落、ロッククライミングポイントの鷲ヶ峰などとの対比を楽しみながら、花の中を歩いてみたい。なお、阿蘇五岳の最高峰、高岳の斜面にも3万株のミヤマキリシマが群生し、こちらは6月上旬に見頃を迎えるだろう。

熊本県阿蘇郡一の宮町