神奈川・小田原　樹齢330年　長興山のしだれ桜　2001.03.30

神奈川県小田原市にある長興山のしだれ桜は、樹齢約330年と伝えられ、高さおよそ15m、株元の周囲は4.7mの風格あるシダレザクラ。淡いサクラの花は、ほぼ満開となり、山あいの木々を背景に、滝が流れるような優雅さを見せる。シダレザクラはデリケートな花のため、風雨に弱い。花の命が、はかないだけに、その美しさが人をひきつけるのだろう。シダレザクラは、箱根町と境を接する塔ノ峰の東麓にあり、小田原の藩主稲葉氏が紹太寺を建立した頃に植えられたものと言われている。中国様式の大伽藍は、幕末に火災で堂塔を焼失し、現在では、寺号を継承している清雲院のみを残すだけとなった。周辺は、一族の墓所があり、史跡巡りのハイキングコースとなっている。開花期には、シダレザクラへと続く坂道にぼんぼりも灯る。市内には、小田原城址公園（日本桜百選）もある。約700本のソメイヨシノが満開に近づき、桜まつりが開催される。天守閣からは、晴れれば房総半島や伊豆大島も一望できる花の名所だ。

神奈川県小田原市入生田