長崎・五島列島　久賀島に残るヤブツバキ原始林　　2001.03.05

長崎県福江市の久賀島（ひさかじま）は、五島列島のひとつ、福江島の北東に位置する島。かつて、五島列島のツバキは、東の大島、西の五島と並び称される程、ヤブツバキが多く自生し、椿油の産額日本一を記録したこともあった。現在は需要減少に伴い、多くの木が切り倒されたが、久賀島の東岸、田ノ浦町黒河原（長浜）地区（県　天然記念物）や西岸の亀河原には、それぞれ約1haのヤブツバキの林が残る。日当りのよい場所で11月下旬頃から咲き始めた花は、2月中頃から見頃となり、すでにピークを迎えている。青い五島灘を背景に、咲き乱れる赤いツバキの花が美しい。強い春の風が吹くと、花も落ちてしまうので、早めに訪れた方がよいだろう。福江港から田ノ浦港に至る地域には、福江海中公園があり、多島風景も広がる。福江島南西部の大瀬崎断崖（玉之浦町）や北西部の渕ノ元（三井楽町）は、夕陽百選の景勝地。五島列島は、豊かな自然とキリシタン文化が色濃く残る、見所の多い土地だ。

長崎県福江市