北海道・あやめヶ原　太平洋を望む花園　2000.07.03

カキの産地として有名な道東の厚岸町、太平洋に突き出たチンベの鼻にある「あやめヶ原」は、大海原を背景に100haの台地に30万株のヒオウギアヤメが群生する。現在花は満開で、気品あふれた紫紺色の花が一面に咲き乱れている。一帯は海霧が立ちこめることも多く、防霧林という保安林まである程の所。霧がすうっと流れ、花々が見え隠れするのもここならではの幻想的な情景だ。春から秋にかけては、エゾフウロ、マイヅルソウ、ヤマブキショウマ、ツリガネニンジン、センダイハギ、ハマナス、ハマエンドウ、ハクサンチドリ、ユキワリコザクラなど海浜植物から高山植物に至るまで100種以上の花が次々と咲く花園でもある。この他、厚岸町にはラムサール条約登録湿地の別寒辺牛（べかんべうし）湿原、厚岸湖、国の天然記念物である大黒島の海鳥繁殖地もあり、豊かな自然が残る。バードウォッチングには、愛冠（あいかっぷ）岬周辺や厚岸水鳥観察館（TEL　0153-52-5988）がおすすめ。

北海道厚岸郡厚岸町