愛知・香嵐渓　飯盛山のカタクリ群生地　2000.03.23

愛知県足助町、紅葉で有名な香嵐渓にある飯盛山は、標高254メートル、足助川が巴川に合流する地点にある小高い山だ。ご飯を盛ったように緩やかなラインを描く山は、古くは信仰の山として親しまれていた。春先、北側の斜面50アールにカタクリが群生する。下向きに咲くピンクの花が花被片 （かひへん）をくるりと反り返した姿が何とも愛らしい。現在、花は咲き始めたばかりで、見頃は月末から4月上旬となりそうだ。周辺では、白いキクザキイチゲの姿も見られる。また、シャガの群落やモミジの新緑なども美しい所で、四季折々に訪れてみたい。その昔、足助町は三河湾の塩を信州へと運ぶ中馬街道の要所であり、足助川沿いに古い町並みが2キロメートルにわたり見られる。「マンリン小路」の黒板塀と白い漆喰のコントラストが印象的だ。飯盛山の南、巴川沿いには、茅葺き屋根の建物もあり、のどかな春の日にぶらりと散策したい町だ。

愛知県東加茂郡足助町