浜辺を埋め尽くす貝殻
海の思いでと言えば 父のかっこいいクロール 母と海岸で貝拾い ヤドカリ 海草 砂の城 打ち上げられた鮫
僕は海岸を歩き回る 母のお眼鏡にかなうような 何かいいものを探すために 母のガラス棚に今でも飾ってある 7歳の僕が見つけてきた 大きなアサヒガニの甲羅 それは南の国の木の実のような くだけた氷河のかけらのような 若き母との思い出
これはいいわ これはいらない 母の目は何を基準にしていたのか 7歳の僕にはとても不思議で 母がとても堂々として見えた いいか悪いか決めてもらうために 僕は夢中で何かを集めた
絵描きだった母のために 僕が集めて来た自然の中のモチーフ 母の4つの棚にあふれる 漂白された少年の記憶