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3月8日 今年二回目の三ッ峠になる。
普段は
「写真など、そのとき出会った光景を自分なりの感性で切り取ればいいのさ」
などとしたり顔で言ったりするものの、撮影行にはやはりかなりの「読み」が入る。
たとえば、
「今日は冷え込みそうだから、霧氷をちょっぴり期待」
などという具合。
まあもうちょっとマシな読みはするが・・・ホントかよ。
御坂峠手前の三ッ峠登山口に午前4時半到着。休日ならばもうカメラマンがわんさかいる時刻だが、今日は平日である・・・人影がない。
身支度を整え登りだしたのが4時50分くらい。1月は機材フル装備で、おまけにプラブーツまで履いて登ったが、今日は雪の深さはないから軽登山靴にした。おかげで足が軽い。しかしながら道はアイスバーンなのでアイゼンを着用する。
徐々に回りが明るくなってきた。この時点でもう霧氷はだめだというのは判ってしまう。当然歩みが遅くなる・・・。
小一時間で三ッ峠山荘前の展望地に到着。朝の大撮影会を展開。
三ッ峠山荘前。
一月から二月にかけてたっぷりと降って積もった雪がまだ残っている。
いつもならカメラマンが数名並ぶのだが今日は僕の他には誰もいない。なんともいい気分。いつも平日に登れるという人たちが羨ましい。小屋も閑散としている。どうやら宿泊者はいないようだ。平日と言えども1月、2月には、何日も泊まりがけで富士山を狙っている人がいると聞くが、3月は霧氷の機会も減って、劇的な光景に出会える可能性が少ないと言う判断で足が遠のくのだろうか。
本当は僕はここから三ッ峠の三つのピークのひとつ御巣鷹山を越え、清八峠を回り三ッ峠登山口に戻ってくるコースを考えていたのだが、御巣鷹山から先のトレースがない。もちろんラッセルで前進することは可能だがその気力はとても湧かず今回は撤退した。御巣鷹山山頂のアンテナ施設の回りには僕と同じようにトレースを探して歩き回ったと思われる足跡が沢山ついていた。やはり皆、ここであきらめたらしい。
三ッ峠(開運山)山頂からの西方展望。
三ッ峠からの展望は富士山だけではない。
御坂山地はもちろん南アルプスや八ケ岳、
さらに空気が済んだ日には北アルプスまで見通せる第一級の展望の山でもある。
三ッ峠登山口に戻る周遊コースとしては木無山から西川林道に下るコースも考えられたけれど、いったん切れたテンションはもうあがらず、結局そのまま往路を戻ることにした。
ぞくっとするほどの光景が突然目の前に現れる。
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