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富士山の存在感は雲の様子によって一変する。
富士山にかかる雲 富士山は四方八方どこから見ても比較的見え方が変わらない山で、そういう意味では表情の乏しい山であるとも言える。しかしこれに「雲」が絡むことによって、その表情は一変するのだ。富士山は独立峰ゆえ、特にいろいろな形をした雲がその周辺に現れる。
富士山にかかる雲で特徴的で人気が高いのが、「笠雲」と「吊し雲」。これらにはさらに細かい分類があって、たとえば「笠雲」なら、「離れ笠」「レンズ笠」「前かけ笠」「二階笠」「円筒笠」「かいまき笠」などがある。微妙な違いは判断しづらいところもあるが、それぞれによって「雨になる」とか「風は強いが晴れの天気が続く」などという天気の予兆になる。昔の人は雲の表情を見て天気を予測し、生活に結びつけて農作業等に役立てていたのである。逆に現代の我々は逆に天気予報から発生する雲の形を予測しいそいそと撮影に出かけたりするのだ。
12月17日
12月は毎日曜日に笠雲や吊し雲が出て「日曜カメラマン」である僕らを楽しませてくれた。
山梨県上九一色村富士ケ嶺にて
逆光に輝く笠雲や吊し雲は、その端を虹色に輝かせ彩雲となることがある。 上の写真の雲もこのあと少し広く広がって彩雲となった。 形の変化と色の変化の両方を楽しむことができる朝の劇場。
山梨県山中湖パノラマ台にて
これらの雲の形はいわば「風」が創りだしているというべきもの。 雲は同じ場所に留まって居るわけではなく変幻自在にその姿を刻々と変えていく。
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