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七時雨山荘で朝食をとっている時に、ご主人の立花さんが「釣りは好きか」というので、「渓流釣りの道具は車に積んである」と応えると、「牧場の川には天然イワナがいるよ」という。それも牧場のバッタをエサに提灯釣りの要領で狙えば、間違いなくかかるというのだ
七時雨山の伏流水が牧場の中に湧き出て、川となり流れている
川の源流には、ボス牛を先頭に数十頭以上の牛の群れが、駆け回っている。これが怖いのなんの。雄牛の角で、はたかれたら、たまったものではない。この牛達を刺激せずに、釣りをさせてもらうことにした。周りは笹や木々が茂っているので、釣り竿から先の、みち糸は数十センチという短いものにしないと、絡まってしまう。提灯釣りのスタイルでないとダメだよという理由がそれだった
エサはブドウムシを持っていたので、それを使い、草の陰からそおっと竿を出すと、いきなりイワナがヒットした。型は20cm程度と小型であるが、天然のイワナだ。美しい。その後もバシバシとヒットした。天然イワナがこんなに簡単に釣れるとは..信じられない。だって、七時雨の西側の安比川は、イワナやヤマメの釣りポイントとして名高い場所だが、そこでは、ここのように簡単にイワナはヒットしてはくれないのだ。僕のような素人同然の釣り師が、こんなに沢山の天然イワナをいただいてもよいものだろうか
以後、これだけの天然イワナに巡り会えたことは今日までない
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